Bitcoinを中心とした今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Tether、USDtをLightning Networkに導入
オープンハウスグループ、暗号資産での不動産販売開始を発表
欧州スカッシュ連盟、Bitcoinを運営に取り入れと発表
Bitfinex、RGBとLightning Network を統合したIris Wallet Desktopをリリース
Deutsche Bankのリサーチアナリスト、「Bitcoinが21世紀のデジタルゴールドになる可能性はある。金も歴史的に不安定だったことを忘れてはいけない」とコメント
米商務長官候補、 Stablecoinは監査を受けるべきとコメント
ドイツの欧州議会議員、Bitcoinはインフレや国家統制から身を守るための手段であると説明
チェコ国立銀行総裁、国の準備金を多様化するために、数十億ユーロをBitcoinに投資することを提案
フランス上院議員、Bitcoinとデジタルアセットを「非生産的資産」に分類し、贅沢品や空き家と同様に課税すべきとする法案を提出
エルサルバドル議会、IMFが設定した条件に沿ってBitcoin法の主要部分を改正する法案を可決
Section1: Technology
1.1. Bitcoin L1
●Bitcoin Optech Newsletter #339|LDKの旧バージョンに影響する請求処理の脆弱性
https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2025/01/31/
●2012年以降でBitcoinに関する考えがどのように変化したかについてのまとめエッセイ
初期の熱狂から実際の課題や限界を経て、より現実的な視点へと変化している様子
https://jpkoning.blogspot.com/2024/12/after-twelve-years-of-writing-about.html
●Blockstream、2024年レビューを発表
https://blog.blockstream.com/blockstream-update-2024-in-review/
1.2. Lightning Network
●Tether、USDtをLightning Networkに導入。Lightning Labsと協力しTaproot Assets によってサポート
Lightning上でUSDTを使ってクロスボーダー決済ができるようになり、他のネットワークで要するコストのほんの一部で即座に決済可能に。
現在Lightning経由でBitcoinを受け入れている決済ゲートウェイやマーチャントは、これまでと同じインフラを使って、USDTを決済オプションとして追加できる。
https://lightning.engineering/posts/2025-01-30-Tether-on-Lightning/
Taproot Assets ProtocolのAPIドキュメント
Taproot Assets Protocolの入門ガイド
Taproot Assets Protocolのより詳細な技術的説明については、開発者向けドキュメント
「Tapping into Taproot Assets」動画シリーズ
●Lightning Network上でのTetherの採用加速にむけたVoltageの取り組み
https://x.com/voltage_cloud/status/1885327627189145734
●Taproot Assetsによって提供されるLightning上のStablecoinに関するFAQスレ
●Eclairを使用したLightningノード管理のユーザー体験記
●Lightning Networkをより良くすることに特化して設計されたソフトフォーク提案「LNhance」
OP_CTV、OP_CSFS、OP_PAIRCOMMIT、OP_INTERNALKEY の4つの異なるOPコード
これら4つは対称チャネル、非対話的に開くことができるチャネル、channel factories、および VaultとArkの一部機能強化を可能に
1.3. 統計・チャート
●Bitcoinと暗号通貨の時価総額の分離が進んでいる
https://x.com/SDWouters/status/1884698388509110433
●米国とカナダのBitcoinマイナーのマップ
https://public.tableau.com/app/profile/valentin.rousseau1987/viz/Miningmapv2/U_S_Map
1.4. 学習コンテンツ・解説記事・カンファレンス
●Plan B Network、チェーン分析やトランザクションパターンなどBitcoinプライバシーに関する「BTC204」を開講
https://planb.network/en/courses/btc204
●「What's Bitcoin? Part 1」から始まる、Bitcoin コンテンツを特集した「All in Bitcoin」
1.5. セキュリティ
●「Non-KYC Bitcoin取引」も政府の調査や情報開示の要求があれば完全なプライバシーは守れないとし、Bitcoinのプライバシーに対して現実的な視点を持つべきである、とする記事
https://stacker.news/items/867979
●自己主権的かつプライバシーを守った形でのBitcoin保有・管理を行うためのツールリスト。「プライバシーと匿名性の重視」「セルフカストディ」「セキュリティの確保」など
https://expatriotic.me/acquiring/
Section2: Business
2.1. ペイメント
2.1.1. ペイメントの受け入れ
●オープンハウスグループ、暗号資産での不動産販売開始を発表
暗号資産での支払いの受付を開始
当初はBitcoinとEthereumに対応
https://openhouse-group.co.jp/news/release/pdf/20250131_3.pdf
●欧州スカッシュ連盟、Bitcoinを運営に取り入れと発表。
Bitcoinをバランスシート上の資産として保有し、適切とみなされる場合には、入金と出金の両方でBitcoinの使用を促進。
連盟の活動をサポートできるように、Bitcoin寄付を可能に
https://europeansquash.com/european-squash-federation-bitcoin/
●Geyser、Bitcoin Beach で「Bitcoin Pilgrims」を立ち上げ。
特別な小冊子とコミュニティスタンプを使用して、循環型経済・イベント・ミートアップを探索するもの
https://x.com/geyserfund/status/1883997374369968437
2.1.2. ペイメントサービス
●Bitfinex、RGBとLightning Network を統合したIris Wallet Desktopをリリース
https://x.com/iris_wallet/status/1884283400078647678
2.2. マイニング
2.2.1. マイニング全般
●Foundryが許容できないほど大きくなっており、マイニングの分散性が損なわれている
マイナーがFoundryを支持するのは、コンプライアンスがますます重要になっているためであり、代理コンプライアンスが目的になっているとする記事
●256 Foundation、ニュースレターでBitaxeプロジェクトに焦点を当て、Bitcoinマイニングにおけるオープンソース開発の重要性とその台頭について詳しく解説
https://256foundation.org/newsletters/256Foundation-Newsletter-2501_v1.pdf
●世界のハッシュレートの16%を占めるロシアのマイニング業界の概要紹介記事
https://atlas21.com/the-growth-of-bitcoin-mining-in-russia-an-overview-of-the-sector/
2.2.2. マイニング関連企業
●ロシア大手電力網運営会社Rosseti Group、現在十分に活用されていないエネルギーセンターをマイニングに活用する計画を発表
https://atlas21.com/russia-energy-giant-rosseti-focuses-on-bitcoin-mining/
●ブラジル石油大手Petrobras、余剰天然ガスをマイニングのエネルギーに変換するプロジェクトを発表
https://atlas21.com/petrobras-set-to-enter-mining-using-excess-gas/
●GMOインターネットグループ株式会社|ダイヤモンド・オンラインにおける事実誤認に関して
https://www.gmo.jp/news/article/9352/
2.2.3. マイニング規制
●米アーカンソー州上院、州内の軍事施設から半径30マイル以内のマイニング施設を禁止する法案を5対1の投票で否決
https://cointelegraph.com/news/arkansas-senate-rejects-mining-restriction-bill
2.3. 社会生活
●(特になし)
2.4. 投資
2.4.1. 投資全般
●Glassnode、新規のBitcoin投資家が保有する資産の割合(24時間〜3か月)が50.2%を占めるとするデータを発表
https://x.com/glassnode/status/1884218063391973607
2.4.2. 投資関連サービス
●(特になし)
2.4.3. 企業トレジャリー
●MicroStrategy、外装の看板を「StrategyB」と書かれた新しいものに取り替える計画が提出されたとする報道
https://archive.md/TBDzb#selection-1237.0-1255.204
●Tesla、財務会計基準審議会(FASB)会計基準の変更うけ、Bitcoin評価額が前四半期の$184 mから$1.076 bに上昇
https://beincrypto.com/bitcoin-gains-propel-tesla-profit/
2.4.4. 国庫準備金
●Bitcoin戦略準備金に向けた各州における法整備レースの状況
https://x.com/BitcoinMagazine/status/1885381552877531175
●米国の Bitcoin 関連の法律を追跡するサイト「Bitcoin Laws」
●米イリノイ州とインディアナ州、戦略的Bitcoin準備金設立法案を提出
●米サウスダコタ州、州が公的資金の10%をBitcoinに割り当てることを許可するHB1202、州投資評議会にインフレ対策としてBitcoinを検討するよう促すHCR6006といった、2つの立法提案を実施
●米テキサス州副知事、2025年の立法優先事項を発表。Bitcoin準備金設立の提案も
https://cointelegraph.com/news/texas-governor-bitcoin-reserve-priority-bill-2025
●米ユタ州下院委員会、州が特定の公的資金の最大5%をBitcoinに投資することを許可する法案を可決
https://cointelegraph.com/news/utah-house-committee-passes-bill-for-state-to-buy-crypto
2.5. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.5.1. 米国
●Grayscale、NYSEでBitcoinマイニング企業のパフォーマンスを追跡するように設計されたETFをローンチ
マイニングハードウェア、ソフトウェア、サービスなどの活動から収益のほとんどを生み出しているマイニング企業を追跡するベンチマーク「Indxx Bitcoin Miners Index」にリストされている企業に投資するもの。
Marathon Digitalが16.66%、Riot Platformsが11.92%、Core Scientificが9.2%
https://cryptoslate.com/grayscale-launches-bitcoin-miners-etf-on-nyse/
2.5.2. 欧州
●Deutsche Bankのリサーチアナリスト、「Bitcoinが21世紀のデジタルゴールドになる可能性はある。金も歴史的に不安定だったことを忘れてはいけない。しかし、Bitcoinはリスクが高いことを心に留めておくことが重要」とコメント
●ドイツの欧州議会議員、「ユーロは購買力の3分の1以上を失っており、多くの国民が改ざん不可能な通貨を求めているのはそのためだ」とし、Bitcoinはインフレや国家統制から身を守るための手段であると説明
https://atlas21.com/bitcoin-is-the-answer-to-monetary-manipulation-says-german-mep-aust/
●英国政府、$25 bの財政赤字を補うため、押収で取得した$6.3 相当のBitcoinを売却する可能性
https://atlas21.com/uk-government-may-sell-6-3-billion-in-bitcoin-to-balance-public-finances/
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●(特になし)
3.2. 米国
●米FRB議長、銀行はリスクを管理できる限り、仮想通貨の顧客にサービスを提供できるとのコメント
https://www.theblock.co/post/337856/banks-serve-crypto-manage-risk-fed-chair-jerome-powell
●デジタル権利団体 Electronic Frontier Foundation、Tornado Cash 開発者 Roman Storm の弁護にアミカスブリーフを提出。
ソフトウェア開発を犯罪化しようとして既存の刑法の範囲を限界を超えて拡大する」ことは解決策にならない、としている
https://www.therage.co/eff-tornado-cash/
●CoinCenter、暗号資産政策に取り組む議会スタッフと議員を対象としたガイドライン記事を発表
https://www.coincenter.org/principles-legislation/
●米商務長官候補、 Tetherを含むStablecoinは、ステーブルコインが適切に準備されていることを保証する規制を明確にするよう、米国企業による監査を受けるべきとコメント
https://protos.com/howard-lutnick-wants-tether-to-get-an-audit/
●米国政府が押収したBitcoinの売却状況トラッキングサイト
押収して売却したBTC: 195,091.75BTC
売却で得たUSD: 366,493,104ドル
売却されたBTCの現在のUSD価値: 19,925,500,795 ドル
潜在的なUSD逸失利益: 19,559,007,691 ドル
https://jlopp.github.io/us-marshals-bitcoin-auctions/
3.3. 欧州
●チェコ国立銀行総裁、国の準備金を多様化するために、数十億ユーロをBitcoinに投資することを提案
https://bithub.news/head-of-czech-central-bank-bitcoin/
●チェコ財務相、中銀総裁が同国の外貨準備の一部をBitcoinに投資することを検討するという提案に反対を唱える。
「中央銀行は安定の象徴であるべき。Bitcoinは間違いなく安定した資産ではない」とし、過度のボラティリティのため、準備金保有には適さないかもしれないと懸念を表明
https://archive.md/9bcoq#selection-1719.0-1738.0
●ECB総裁、チェコによるBitcoinを自国の公式準備金に含める提案を却下。
「Bitcoinが理事会の中銀の準備金に入ることはないと確信している」とし、ECBに暗号通貨の余地はないと改めて断言。
https://archive.md/MXAVA#selection-1319.30-1373.129
●チェコ国立銀行の理事会、追加のアセットクラスへの投資の選択肢を分析する提案を承認。
他のアセットクラスも準備金に含めることが、多様化と収益の観点から適切かどうかを評価する
●フランス上院議員、Bitcoinとデジタルアセットを「非生産的資産」に分類し、贅沢品や空き家と同様に課税すべきとする法案を提出。
€800,000以上の「非生産的資産」を保有する保有者は、その総額に対して毎年課税
https://www.senat.fr/amendements/2024-2025/143/Amdt_I-128.html
●英国政府、$25 bの財政赤字を補うため、押収で取得した$6.3 相当のBitcoinを売却する可能性
https://atlas21.com/uk-government-may-sell-6-3-billion-in-bitcoin-to-balance-public-finances/
3.4. アジア太平洋ほか
●エルサルバドル議会、IMFが設定した条件に沿ってBitcoin法の主要部分を改正する法案を可決。
企業にとってBitcoin受け入れを任意にすることや、政府のChivoウォレットを廃止することなどが含まれる
https://www.ccn.com/news/crypto/el-salvador-bends-the-knee-bitcoin-complies-imf
●中国の湖南省平江県人民法院、仮想通貨取引所での先物取引を賭博と分類
https://beincrypto.com/china-crypto-futures-trading-illegal-gambling/
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