クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー(Bitcoinなど)・②ビジネス(ペイメントやDeFi・NFTなど)・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Ethereum L2とCosmosの比較
dYdXがStarkWareのEthereum L2を離脱し自前のCosmosチェーンをローンチした件のトレードオフ評価
StarkWare、L2スケーリングプラットフォームStarkNet向けガバナンストークンStarkNet Tokenのローンチ計画
Web5のビットコイナーによる俯瞰
米クリーブランド連邦準備銀行、Lightning Networkに関するレポートを発表
Diamond Hands、「Understanding Lightning」レポートをリリース。
CoinGeckoのQ2 2022四半期レポート
英高裁、従来の郵便・電子メールによる手段に加えて、NFTによりブロックチェーン上で訴訟手続きの許可を与える
Ethereum メインネットMergeは9/19週に
7/19-7/21に開催予定のEthCC(Ethereum Community Conference)
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●ハードウェアウォレットCOLDCARDで大事なビットコインを守ろう【番外編】
https://lostinbitcoin.jp/how-to/coldcard_beginner_guide/
1.1.2. L2:Lightning Network
●Diamond Hands、「Understanding Lightning」レポートをリリース。
Lightningの仕組みとしてPayment Chanel・Multi hop payment・Routing networkに始まり、Lightningのエコシステム(ノード・ウォレット・ルーティング)、ユースケース等を解説
●Diamond Handsが「ライトニングネットワーク概観」レポート公開
Lightningのポテンシャルとして、「分散金融」「分散ウェブ」「データエコノミー」を挙げている
https://spotlight.soy/detail?article_id=61nznobgd
●ビットコイン教育サイト「ロストイン・ビットコイン | 迷宮ビットコインの歩き方」に「ライトニングネットワーク概観」を掲載
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000100011.html
●ライトニングネットワークにおける利己的ルーティングによる無秩序の代償
https://spotlight.soy/detail?article_id=fh6byaf8x
●ビットコイン⚡ライトニングネットワーク障害復旧
https://spotlight.soy/detail?article_id=k3hn0n9ow
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Ethereum メインネットMergeは9/19週に
https://hackmd.io/@benjaminion/BkxQTpqpi9
●7/19-7/21に開催予定のEthCC(Ethereum Community Conference)
https://ethcc.io/
1.2.2. L2
●Rollupの分類
●StarkWare、L2スケーリングプラットフォームStarkNet向けガバナンストークンStarkNet Tokenのローンチ計画
https://medium.com/starkware/part-1-starknet-sovereignty-a-decentralization-proposal-bca3e98a01ef
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●dYdXがStarkWareのEthereum L2を離脱し自前のCosmosチェーンをローンチした件のトレードオフ評価。L2による利点はEthereumベースのセキュリティにあるとしている
●Ethereum L2とCosmosの比較記事。
DeFi TVLシェアで見ると、Ethereum L2は1.58%、Cosmosは0.82%を占めるが、異なるユースケースに対応する補完的な存在となる可能性が高い、とのこと。
Ethereum L2
コンセンサスとデータの可用性にEthereumを利用した上で、Rollupと呼ばれるトランザクション環境に移されてオフチェーンで実行。
Ethereum L1はRollupの決済レイヤーとして機能し、より高いレベルのセキュリティと信頼性の高い中立的な決済を提供する。
Cosmos
チェーンがアカウントモデルかUTXOモデルか、ステートマシンがどの言語で構築されるかなど、柔軟にカスタマイズ可能。
dYdXチェーンなどユースケースに最適化されたチェーン構築に適する。
Cosmos Hubがチェーン間セキュリティを利用したいチェーンに対して決済レイヤーの役割を果たす。
●"Polkadot for Beginners"の日本語版、「初学者のためのPolkadot入門」
https://github.com/KumaGorow/Polkadot-for-Beginners-jp
1.3.2. 要素技術
●Blockchain Governance Initiative Network (BGIN Block #6)
●Web5プラットフォームのロードマップ
2022 Q2: SSI SDK・SSI Service・DWNの初期実装
2023 Q1: DIDネットワークノードのデプロイ、ウォレットの稼働
2022 Q4: Web5プラットフォームコンポーネント・identityサポートのウォレットアプリがパプリックβ
●Web5のビットコイナーによる俯瞰
https://speakerdeck.com/toshihr/web5falsebitutokoinaniyorufu-kan
●StablecoinからDEX、DeFi、L2、Oracle、Interoperability、Altchain、Eth2、NFT、DAO、Web3 および DIDまでが、網羅的にカバーされたスライド
https://speakerdeck.com/gotoa/blockchain-topics-202207
●デジタルアセット管理プラットフォームGnosis Safe、「Safe」へのリブランディングを発表
https://safe.mirror.xyz/zMPp8uqZpxKgeXotSFv76bd2G8lJTmghH1FDWFm604c
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●New York Yankees 、Bitcoinペイロールプログラムに向けNYDIGと提携。
従業員はNYDIGのBitcoin Savings Plan (BSP)にアクセスして給与の一部をBitcoinに変換可能に
2.1.2. 投資
●Celsius、連邦破産法第11条に基づく更生手続を申請
●Celsius、$1.19 bの債務超過であることが明らかに。また、同社が資産と主張する$600 mがCELトークンであり、その時価総額は$170 mにとどまる
●ブラジル決済Fintech起業のPicPay、暗号資産トレードプラットフォーム参入を発表。ブラジルレアル連動Stablecoinも視野に
2.1.3. 社会生活
●Swiss Postの銀行サービス部門Postfinance、銀行の暗号通貨サービスの機が熟したとして、暗号通貨関連サービスを2024年目処に開始の意向
2.1.4. RegTech
●Chainalysisによれば、不正アドレスからの資金の約10%弱がmixer宛と、DeFiやギャンブルなどの他サービスにおける0.3%前後と比べ際立っているとのこと
https://blog.chainalysis.com/reports/cryptocurrency-mixers/
2.2. NFT
●英国England and Wales高裁、従来の郵便・電子メールによる手段に加えて、NFTによりブロックチェーン上で訴訟手続きの許可を与える
2.3. DeFi
●MakerDAO、Société Générale–ForgeをReal World Assets (RWA)のVaultとする提案を承認
https://cryptobriefing.com/makerdao-adds-societe-generale-to-its-user-list/
●Circle、USDC準備金の透明性レポートを公表
https://www.circle.com/blog/providing-greater-transparency
●CoinGeckoのQ2 2022四半期レポート
上位15のStablecoinの時価総額の20%($33b)が減少
DeFiの時価総額も$142bから$36bに減少
DEXではSolanaやBNBのDEXがシェア拡大
https://www.coingecko.com/learn/q2-2022-cryptocurrency-report
2.4. 中銀デジタル通貨
2.4.1. 欧州
●欧州ECB、デジタルユーロについて、安定した信頼できる決済システムを維持する上で、デジタル時代にも中銀マネーの役割を維持する必要があるものの、日常生活の一部となって初めて成功できるとし、既存ソリューションと比較した付加価値がなければならないことを強調
https://www.ecb.europa.eu/press/blog/date/2022/html/ecb.blog220713~34e21c3240.en.html
2.4.2. 中国
●デジタル人民元の試験運用、15省・市の23地域へ拡大
http://www.gov.cn/xinwen/2022-07/13/content_5700838.htm
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●BIS国際決済銀行のCPMIとIOSCOによるStablecoin ガイダンス
https://www.iosco.org/news/pdf/IOSCONEWS651.pdf
●FSB(金融安定理事会)、暗号資産アクティビティに係る国際規制・監督についてのステートメントを発表
3.2. 米国
●米財務省、デジタルアセットの開発・アドプションによる潜在的な機会とリスクについてパブリックコメントを募集
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy0861
●米クリーブランド連邦準備銀行、Lightning Networkに関するレポートを発表。
3セットの回帰の実行を通じた検証。
①LNチャネル数を用いて、LN採用がmempool countに及ぼす影響を検証したところ、LNチャネル数の増加はmempool countを減少させることがわかった。
②同様の関係性を米ドルvalueを用いて検証したところ、LNにロックされたBitcoinの米ドルvalueを、mempoolトランザクションに付随する手数料の米ドルvalueに対して回帰した結果、同様にLNの容量が大きいと混雑が緩和されることがわかった。
③LNがmempoolにおける低手数料取引の割合に与える影響を検証したところ、LNの利用が多いほど、mempoolにおける低料金のトランザクション割合が有意に増加することから、LN使用の増加がmempoolの混雑の有意な減少に関連することが示された。
ブロックチェーンのデータ利用の大半は取引や投機目的であるとする分析はLightningで行われる取引には及んでおらず、決済の迅速化やより重要な技術的制約の緩和に寄与していると結んでいる
3.3. 欧州
●欧州ECB、暗号資産には気候面のリスクが織り込まれていないとするレポートも発表
●欧州ECBが発表した、クリプト金融リスクに関するレポート。Stablecoin・DeFiおよび気候面にフォーカス
●欧州ECBが発表した、Stablicoinの機能とリスクに関するレポート
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