暗号通貨・暗号資産をめぐる今週のトピックについて、個人的なつぶやき。
ざっくり、①テクノロジー(Bitcoinなど)・②ビジネス(ペイメントやDeFiとかNFTなど)・③規制まわり、でおさらい。
テクノロジー・ビジネス・規制の3部構成で、2021年のトピックを振り返りました。
セクションごとにサマリーをつけている他、参考図版も添付つけていますので、興味ある箇所を拾い読みしながら、2022年の展望頂ければと思います
https://hashhub-research.com/articles/2021-12-31-overview-of-crypto-assets-in-2021
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Ark Investによる、オンチェーン統計を使ったBitcoinのバリュエーションフレームワーク
●Bitcoinのエコシステムにおける活動に関する訴訟から開発者を守る基金の立ち上げが、bitcoin dev listで発表されている。
●Jack Dorsey等がBoardメンバーとなって創設を発表した「Bitcoin Legal Defense Fund」。
現在、Bitcoinコミュニティは多面的な訴訟の対象となっており、特にオープンソースの開発者は、特に法的な圧力を受けやすいと指摘。
弁護士の検索、訴訟戦略の策定、弁護士費用の支払いなど、Bitcoinエコシステムでの活動に関する訴訟から開発者を守るべく、無料で利用可能とのこと。
https://lists.linuxfoundation.org/pipermail/bitcoin-dev/2022-January/019741.html
●Bitcoinのエネルギー消費指数。エネルギー消費のフットプリントの年率換算値を204.50TWhで、タイの消費電力に匹敵としている。
https://digiconomist.net/bitcoin-energy-consumption/
●Satoshi Nakamotoが初めてのBitcoinトランザクションを送信した2009年1月11日から13年に
●Bitcoin保有の裏側についての解説スレ
トランザクションoutputは、ロックスクリプトと金額で定義される。
Bitcoinを所有するということは、UTXOのロックスクリプト解除に必要なキーを持つこと。
Bitcoin残高は、アンロックできるUTXOの金額フィールドの合計。
ウォレットが保持するのは、コインではなく鍵。
鍵を使ってブロックチェーンをスキャンし、どのUTXOをアンロックできるかを判断している。
他人にBitcoinを送るとき、鍵を使ってBitcoinの一部をロック解除し(鍵を持っていることをネットワークに証明することによって)、受信者だけが解除方法を知っている新しいoutputでそれを再びロックしている。
●Block(旧Square)、マイニングの分散化めざし、オープンなビットコインマイニングシステムを正式に構築へ。
現状の課題として、マイニングリグが容易に購入できない点、放熱とホコリによる信頼性の問題、騒音や電力消費の問題を挙げ、システム・ASIC・ソフトウェアデザイナーが率いるコアエンジニアリングチームを構築中とのこと。
●Blockstreamによる2021年ふりかえりトピックス
Adamant Capitalを買収しBlockstream Financeを立ち上げ
マイニングハードウェアメーカーのSpondooliesを買収しASICs部門に
カーボンニュートラルなマイニングにむけたMacquarieとの協業
太陽光発電によるマイニングにむけたBlockとの協業
アトミックスワッププラグイン「PeerSwap」やスケーリングソリューション「Minimint」の立ち上げ
Liquid Networkにおける分散型アトムスワップの追加や、ElementsコードベースのSimplicityブランチの更新
エルサルバドルでビットコイン担保債券(EB1)を提案
マイニング施設のハッシュレートへのエクスポージャーを投資家に提供するBlockstream Mining Noteのローンチ
1.1.2. L2:Lightning Network
●Strikeがアルゼンチンでもローンチ
●Lightning Network上に構築されているプロダクト14選のリンク集
https://threadreaderapp.com/thread/1478163281076314112.html
●Lightning Networkのノードオペレーターガイド(リソース集)。
自分のライトニングノードを動かすことから、クラウドサービス、ルーティングフィーを獲得する方法まで
https://github.com/aljazceru/lightning-network-node-operator
●2022年のライトニング大胆予想 by kojisan
https://spotlight.soy/detail?article_id=li1z12o1s
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Galaxy Digitalによる、MEV(Maximal Extractable Value)の概観レポート。
MEVの生まれる背景ともたらす問題、MEVのタイプ(arbitrage/liquidations/sandwiching)、MEV軽減にむけたソリューションについて。
2020/1-2021/12の期間で$773mの規模とのこと。
MEVの最も一般的な戦略は裁定取引。
裁定取引では、DEXに上場している資産の価格に差がある場合(=DeFiエコシステムの非効率性)に、マイナーは、1つは価格が低く上場している取引所から資産を購入し、もう1つは価格が高く上場している取引所で資産を売却するという、2つの取引を連続して行うことによって、利益を得ることができる。
様々なDeFiアプリ間の情報の非対称性を検出するために設計された「サーチャー」と呼ばれる専門ボットが、最初にMEVの機会を特定する。
サーチャーはマイナーと密接に連携し、有利な取引バンドルを中継して、オンチェーン上で正確な順序で実行させる。
裁定取引や清算によるMEVと異なり、ネガティブ要因となるのがサンドウィッチによるもの。
サーチャーは暗号資産の大量購入を特定し、オンチェーンで取引が成立する前にその資産を買い占めて資産の価格を引き上げた上で、元の価格と引き上げられた価格との差額を得る。
サンドイッチ攻撃の進化系として、 Just-in-Time (JIT) 流動性攻撃は、Uniswap V3上の集中流動性プールを利用したもの。
https://docsend.com/view/vr6seimd2bfx8iei
1.2.2. L2
●1日に利用可能なEthereumのgasの最大量のうち、L2 proof contractsによって消費されたgasの割合
https://dune.xyz/funnyking/L2-Gas-Consumption
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●Polkadotの2021年総括ブログ
https://medium.com/polkadot-network/polkadot-2021-roundup-6cbd3b50c50e
●Cosmosエコシステムの概観ブログ
https://www.8btc.com/article/6720752
●2022年のCosmosに起きること
●Axie Infinityコミュニティ向けEthereumサイドチェーン「Ronin」について、Nansenのレポート。
Katana (Ronin DEX)やAXS staking、Ronin bridgeについて。
https://www.nansen.ai//research/ronin-the-engine-powering-axie-infinitys-growth
●Polygon Zeroチームが発表した再帰型SNARK「Plonky2」。
trusted setupなしに高速な証明を可能とするほか、再帰性と低コストな検証をサポート。
再帰的SNARKにより、オフチェーン計算を高度にスケーラブルに並列処理可能とのこと。
●NEAR Foundation、$150mの資金調達ラウンドを完了
●Solanaエコシステムマップ(2022/1/5時点)
●Avalancheエコシステムマップ(2022/1/12時点)
●Terraエコシステムマップ(2022/1/13時点)
●Coingeckoによる2021年ふりかえりレポートが公開。
1.3.2. 要素技術
●(特になし)
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●Cash App、ユーザー向けにLightning Networkのロールアウト開始へ
●PayPalが、独自のStablecoinをリリースする可能性を検討とBloombergで報道。
iPhoneアプリのソースコード中に米ドルバックのStablecoin「PayPal Coin」の隠しコードと画像が発見されたが、同社は社内ハッカソンによるものとしている。
https://thetapedrive.com/paypal-is-working-a-stable-coin-called-paypal-coin
●Bitcoin Suisse、Barclays UKのウェルスマネジメント・投資部門ヘッドを、4月1日付でCEOに起用
●ミャンマー民主派、仮想通貨で抵抗: 日本経済新聞
「テザー」の国内流通後押し、通貨発行権握る国軍に挑戦状
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0337S0T00C22A1000000/
●POSやATMなどを手がけるNCR社、LibertyXを買収。
LibertyXは暗号通貨送金事業であるLibertyPayを手がけており、暗号通貨の売買やクロスボーダー送金のソリューション強化を図るもの。
https://www.businesswire.com/news/home/20220113005846/en/
2.1.2. 投資
●16zのパートナーKatie Haun氏のVC、暗号通貨の新興企業やデジタルトークンに投資するファンドに$900m調達へ
https://www.ft.com/content/e08066ee-8dfc-4899-afc4-3885d85fa348
●世界トップレベルの暗号資産投資会社「アラメダリサーチ」を徹底調査 | Stir Lab
2.1.3. マイニング
●Block社、次世代BitcoinマイニングASICの立ち上げに特化したチームの求人を掲載
https://www.linkedin.com/jobs/view/custom-digital-design-lead-at-block-2867223306/
2.1.4. 社会生活
●リオデジャネイロ市長、市の積立金としてのBitcoin購入にむけ、市の準備金のためのBitcoin購入問題を扱う作業部会を設置する法令を発表。
リオデジャネイロの国庫の1%をBitcoinに。
また、Bitcoinで税金を支払う人に割引を提供する可能性も。
●EthSign 3.0の使用方法について、新機能を含むウォークスルー動画
2.1.5. RegTech
●2021年の、パブリックチェーン・取引所・ウォレット・DApp・DeFi・NFT・クロスチェーンにおけるセキュリティインシデントの俯瞰
https://www.8btc.com/article/6718850
●北朝鮮のハッカー、2021年に少なくとも7回の攻撃を仕掛け、$400m相当のデジタルアセットを取得。
攻撃の多くは、Lazarus Groupによって実行されたとしている。
盗まれた資金の58%はEther。22%がERC-20トークン・アルトコインであり、Bitcoinは20%に留まる。
2.1.6. Web3
●Coinbaseの考えるWeb3スタック
アクセス層(ウォレット、アグリゲータ)
ユースケース層(ゲーム、NFT、金融)
インフラ層(セキュリティ、ストレージ、データ分析、ガバナンス、ID、トランザクション(売買・レンディング・ステイキング・保険))
プロトコル(L1、スケーリング、ブリッジ)
●FTX、$2b規模のWeb3ベンチャーキャピタルファンドをローンチへ
https://decrypt.co/90409/ftx-launches-2-billion-web3-venture-fund-led-lightspeed-amy-wu
●FTX Vexturesのホームページ
https://ventures.ftx.com/
●Web3・クリプト・DAO関連の仕事に就く方法として、「インターンになる」「DAOに参加する」「アーリーアダプターになる」「執筆する」「YouTube ChannelやPodcastを開設する」などを挙げている
https://messari.io/article/web3-jobs-how-to-get-a-job-in-crypto-updated-2022
2.2. NFT
2.2.1. トラディショナルプレイヤー
●AP通信、写真のNFTマーケットプレイスを1/31にPolygon上でゴーライブ予定と発表。
コレクションには、ピューリッツァー賞受賞写真なども含まれる予定
https://www.ap.org/press-releases/2022/ap-to-launch-nft-marketplace-built-by-xooa
●中国のBlockchain Services Network (BSN)、暗号通貨やパブリックチェーンに接続されていないことを条件とした独自のNFTインフラ「BSN Distributed Digital Certificate」(BSN-DDC)を展開へ
ただし、NFTを異なる関係者のデータへのアクセスを区別できる「革命的なデータベース技術」ととらえた上で、NFTの最大の市場は車両のナンバープレートや卒業証書などの証明書管理であるとしている。
たとえば、NFTによる車両プレート管理では、車の所有者・政府・保険会社がそれぞれ走行距離やエンジン番号・修理履歴などのデータにアクセスでき、それぞれが他の権利を認識するのこと。
●Twitter、一部のユーザー向けにNFTプロフィール画像表示オプションのテスト開始
2.2.2. NFTエコシステム
●Axie Infinityの人気が高まる中、Axieを誰もが購入できるわけではないため、Axieが余っているプレイヤーが資産を貸しながら、そこで得た利益を分け合う利益分配モデルが生まれた。
ギルドモデルを発展させたYield Guild Gamesに続いて、さまざまなゲーミングDAOが進化中。
Merit Circleの形成するコミュニティは、世界最大のPlay-to-EarnのDAOの1つとして知られるように。
https://medium.com/@meritcircle/looking-back-at-2021-the-year-of-play-to-earn-f8fefadfeb4c
●Axie Infinity、Axieユニバースに作られたもう一つのゲームモードとして、Axieランド(Axieの世界である Lunaciaにある所有可能な区画)でのゲームを開発中(=Project K)と発表
●Axie Infinityの発表したランドモードのホワイトペーパー。
Lunaciaはトークン化されたプロットと呼ばれるLandに分割
プロットはゲームをプレイして手に入る資源によってアップグレードされる
プロットにいるAxiesを使ってマップ上の資源ノードを探索したりできる
https://whitepaper.axieinfinity.com/gameplay/land
●Axie InfinityのユーティリティトークンSLP(Smooth Love Potion)の経済バランスについて、供給を減らすことや(ゲーム内インセンティブ比率の変更、自動化botに生成されるSLPを減らす)、需要を増やすアイデア(Axieの放出/burn/消費、コミュニティSLPの買戻し)が紹介。
●P2E(Play-to-Earn)ゲームにおけるインセンティブ設計について。
P2Eエコシステムを、コミュニティメンバーが信頼し、共同で運営・所有し、構築できる自立した仮想経済を構築することとしている。
P2Eエコシステムは、コミュニティメンバーがゲームをプレイする場所であるだけでなく、経済的な利点、収益を生み出すビジネスと貴重なデジタル資産の所有権、明確な仕事と責任を備えた仮想世界でもある。
活気のあるP2Eエコシステムは、ゲームプレイよりもコミュニティと文化を優先するとのこと。
Axie Infinityを例にあげて、コミュニティ構築と反復型開発アプローチに重点を置いていると示している。
https://www.8btc.com/article/6719228
●GameFiにおけるアルファ機会を、インフラストラクチャリーダー・ゲームギルド・NFT流動性プロトコルの観点で概観。
インフラストラクチャリーダーとして、Axie Infinity・Polygon・Flow・Immutable X
ゲームギルドとして、YieldGuild・MeritCircle・Avocado Guild・BlackPool
NFT流動性プロトコルとして、NFT20やNFTXのような流動性プール、UniclyやFractionalといった細分化プロトコル
https://www.8btc.com/article/6719320
●Yield Guild Games (YGG)、コミュニティメンバーは10万人規模に。
Axie Infinityをはじめとして21以上のゲームやギルドと提携している
YGGは、特定の地理的地域やゲーム内の特定のアセット数を代表するニッチなコミュニティ向けに、新しいsubDAOを立ち上げたりしている。
https://medium.com/yield-guild-games/ygg-2021-year-end-retrospective-5957dcafc212
●NFTマーケットプレイスの月次ボリューム統計によると、OpenSeaでの取引は、1/10時点で既に13.6億ドル超に。
●NFTアニュアルレポート。
「NFT」「ETH」「Metaverse」のGoogleでの検索インタレストの地域分布をみると、NFTへの関心が目立つ日本、ETHへの関心が目立つスイス、Metaverseへの関心が目立つトルコなど地域差があるのがわかる。
https://www.8btc.com/article/6720028
●FarmVilleを開発したZynga、ゲーム大手のTake-Two Interactiveに127億ドルで買収。
ZyngaはNFTを活用したゲームの開発計画を発表したばかり
●メタバース開発エコシステムのサーベイペーパー
●NFTマーケットプレイスLooksRare、OpenSeaユーザーにLOOKSトークンの無料エアドロップを提供するvampire attackを通じて1日のNFT取引額が$110Mに
https://dune.xyz/Vie/Looksrare
●CryptoKittiesやNBA Top Shot提供のDapper Labs、日本ベースのGeneral Managerを募集中
https://www.dapperlabs.com/join/position?id=cff0b4b5-ea08-40d9-a815-6cd76f2c9b7f
●NFTユースケースマップ
●「NFTと法」シリーズ第7回「NFTに関する税務上の取扱い
●「NFTと法」シリーズ第1回からの記事
2.3. DeFi
2.3.1. DEX
●Curveプール上でのYearn・Stake DAO・Convexの競争
●Andre Cronje等によるプロトコル所有のAMM「ve(3,3)」プロジェクト
●andrecronje等によるプロトコル所有のAMM ve(3,3)プロジェクト。
ConvexやCurveと同じ「ve(vote escrow)」メカニズムを使用。
OlympusDAOのようなstaking/dilutionの仕組み。
ve(vote escrow)は、長期間ロックすることで、より高い報酬とガバナンス投票におけるより大きなシェアを得られるもの。
多くのveトークン(ロックされた議決権トークン)は売却不可だが、これをNFTとして売却可能に。
●Curve Wars($CRV)からみるGamefiの未来について|Rotten|note
https://note.com/rottenegg/n/n3b1515b7805e
2.3.2. レンディング
●機関投資家むけ流動性プールである、Aave Arc。
当初は Fireblocksのホワイトリストに掲載された30機関が参加できる予定とのこと。
●ETH・WBTC・Stablecoinsおよび主要トークンでyieldを得るオプションの紹介
2.3.3. 証券・デリバティブ
●Squeeth、Ethereumメインネット上でゴーライブ
●Squeeth Primer: OpynによるSqueethの実装を理解するためのガイド
●Squeeth (squared ETH or ETH²)の概要説明スレ
●オプションプロトコルは、オプション契約を生成しオプションの売買を容易にする「マーケットプレイス(Opynなど)」とマーケットプレイス上でユーザーが資金を預ける保管庫を提供する「ストラクチャード・プロダクト(Ribbonなど)」から成る
●dYdX、v4として完全な非中央集権にむけたロードマップを発表
https://dydx.exchange/blog/v4-full-decentralization
2.3.4. Stablecoin
●中国人民大学FinTech研究所による、Stablecoinガバナンスの動的モデルと、不安定化トラップについてのレポート
https://www.8btc.com/article/6719278
2.4. DAO
●DAOの裏側 - Index Coop Japanese Newsletter
Index Coopを例に、組織設計・報酬設計を紹介している。
●Index Coopと他のDAOの比較 - Index Coop Japanese Newsletter
DAOの設計・運用について、参加条件・活動場所・存在目的の観点で比較整理している
2.5. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.5.1. 米国
●Fidelity Digital Assetsの2021年総括
①2021年は、個人投資家、機関投資家ともに、Bitcoinやデジタルアセットに対する認知・リスペクトが高まった年だったと総括。2022年も機関投資家の間でデジタルアセットへの資産配分が増加すると予想している。
②2021年のエルサルバドルの動きを例にあげた上で、2022年に他の主権国家・中央銀行がBitcoinを取得することになっても驚きはない、としている。
③米国インフラ法案に含まれ可決されたデジタル資産規制については、草の根の反対運動が勃発して法案の成立を阻止するまでに至り、さらには週末に議員たちが修正案を作成して法案を守ろうと奔走したことを挙げ、デジタル資産規制の法制化はアセットクラスが成熟するためのマイルストーンだとしている。
④Bitcoinマイニングについては、中国の禁止をうけ、2年前にはわずか4%だった米国のハッシュレートが、35%にまで高まったことを指摘した上で、以前は現実的な脅威と考えていたネットワークに対する国民国家の攻撃の可能性が取り除かれ分散された結果、安全で強固なものになったとしている。
⑤DeFiに対する機関投資家の関心は引き続き高まり、FinTech企業がDeFiプロトコルと提携することが増えることも見込まれるとしている。
⑥Stablecoinは、第三者を信頼する必要がある現状の課題を踏まえ、資産の安定性がコードに裏打ちされデジタルネイティブな資産を使用するアルゴリズム型Stablecoinへのシフトが進むとしている。
⑦最後に、デジタルアセットがアート・文化・音楽・ゲームの世界にも広がりつつあることに触れ、デジタルアセットがなくならないことを信じる上でこれ以上の材料は無いだろう、としてと結んでいる。
https://www.fidelitydigitalassets.com/articles/2021-trends-impact
●JPMorganのリサーチアナリスト、「2021年がNFTの年だったとすれば、2022年はブロックチェーンブリッジの年あるいは金融トークン化の年かもしれない」とする見方を示す。
暗号通貨市場は金融サービスとの関連性が高まっている。
さらに、将来的には、クレジット・エクイティ・不動産の一部(商業不動産から住宅・ホテルの部屋に至るまで)およびプライベートエクイティを含む非上場投資について、トークン化(および分数化)が進む、としている。
https://blockworks.co/jpmorgan-2022-could-be-year-of-the-blockchain-bridge/
●New York Community Bank (NYCB)などの米銀、銀行発行Stablecoin「USDF™」に向けてThe USDF Consortium™を立ち上げ発表
2.5.2. 欧州
●イタリアの大手銀行Unicredit、「現在のグループのポリシーでは、仮想通貨を発行したり交換プラットフォームとして機能する取引先との関係を禁止している」とのツイート
●Société GénéraleによるMakerDAOへの提案(SG-ForgeがMakerのレンティングプロトコルを通じて$20mローンを調達し、OFHトークンという不動産を担保にしたオンチェーンカバードボンドをリファイナンスするもの)を例に、TradFiとDeFiの橋渡しの進展について解説
https://medium.com/bankless-dao/brick-and-mortar-banks-begin-to-build-on-chain-de0e78413fc2
2.5.3. アジア太平洋ほか
●特になし
2.5.4. 日本
●特になし
2.6. 中銀デジタル通貨
2.6.1. グローバル
●特になし
2.6.2. 米国
●Visa、ConsenSysと協業でCBDCにリンクしたカードやデジタルウォレットなどのCBDC決済モジュールを開発へ
2.6.3. 欧州
●Digital Pound Foundation、デジタルポンドの導入・エコシステム構築にむけた多段階アプローチを表明
2.6.4. 中国
●香港HKMA、中国人民銀行と共同でデジタル人民元のクロスボーダー決済をテスト
https://www.mpaypass.com.cn/news/202201/11210751.html
2.6.5. アジア太平洋ほか
●シンガポールMASが、 IMF・世銀・OECDなどと主催したGlobal CBDC Challenge 2021のレポートが公表。
Singapore Fintech Festival 2021でファイナリスト15社が発表したリテールCBDCソリューションのハイライト
https://www.mas.gov.sg/publications/monographs-or-information-paper/2022/global-cbdc-challenge-2021
●バーレーン中央銀行、JP MorganのJPM CoinシステムによるOnyxを用いたテストが完了したことを発表。
Bank ABC (Arab Banking Corporation) がAluminium Bahrainの、米国にいる取引相手向けにリアルタイムを始動できたとのこと。
●イラン中銀は、CBDCのパイロット試験運用を開始へ
2.6.6. 日本
●特になし
2.7. デジタル証券
2.7.1. グローバル
●特になし
2.7.2. 米国
●特になし
2.7.3. 欧州
●特になし
2.7.4. アジア太平洋ほか
●特になし
2.7.5. 日本
●特になし
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●IMF、暗号資産はデジタル資産革命の不可欠な部分へと成熟したとしながらも、個人投資家や機関投資家の間で暗号通貨の導入が進み、金融市場のつながりが強まっていることによって、金融安定性に対するリスクへの懸念が高まっていると懸念
https://blogs.imf.org/2022/01/11/crypto-prices-move-more-in-sync-with-stocks-posing-new-risks/
●OMFIFによるクロスボーダー決済の将来展望レポート。
既存インフラをアップグレードする「進化」と、デジタル通貨やStablecoin・トークン化などによる「変革」の2つの方向性
https://www.omfif.org/wp-content/uploads/2021/12/OMFIF_Future_of_Payments_2021.pdf
●web3プラットフォームの広範な採用を維持するための法的および規制的アーキテクチャの構築に取り組む上で、a16zが各国政府に対する提言アジェンダを示している。
「分散型デジタルインフラを促進するための明確なビジョンを確立すること」など。
「デジタルアセットの報告に関する明確で公正な税法上のルールを提供するとともに、税務コンプライアンスのための技術的ソリューションを活用する」と、税務面の制度整備必要性にも言及している。
3.2. 米国
●米国会計検査院(GAO)、仮想通貨についてのレポートで「Bitcoin ATM所在地の定期報告が不要なため人身売買や麻薬取引に関わる可能性がある地域の端末を特定が制限される」点を問題視している
https://www.gao.gov/assets/gao-22-105462.pdf
●スイスのデジタルアセットバンクSEBA、「米国は2022年にクリプト金融の規制枠組みを完成させる予定」との見方。
「この枠組みには、DeFi・Global Stablecoin・銀行のクリプトエクスポージャが含まれるため、これらの領域におけるに大きな影響を及ぼすと予想される」としている
https://www.seba.swiss/research/will-2022-deliver-a-unified-us-federal-approach-to-crypto-regulation
●日本暗号資産ビジネス協会|ステーブルコインの海外での議論の動向に関する翻訳資料の公表(ステーブルコイン部会)
https://cryptocurrency-association.org/news/breakout/20220114-001/
3.3. 欧州
●欧州の非営利団体SUERFが欧州ECBとまとめたBitcoinについてのレポート
「決済手段としては適当でなく非効率的だが、違法行為には広く利用されている。また、投資資産としても適切でなく、主権者である個人を国家から解放することもエンパワメントすることもできない」とした上で、①AML/CFT基準のグローバルな実施を強化し、ビットコインが不正目的の手段となることを阻止する措置を拡大すること、②Bitcoinへの追加投資流入を招く措置を回避すること、を当局へ提案している。
3.4. アジア太平洋ほか
●香港HKMA、暗号資産とStablecoinに関するディスカッションペーパーを発表
暗号資産について、機関投資家・個人投資家による投資・利用が増加しており、金融システムとの相互関連性が高まっていると指摘している。
Stablecoinについても、一般人に販売する前に適切に規制する必要性を感じていると言及。
https://www.hkma.gov.hk/media/eng/doc/key-information/press-release/2022/20220112e3a1.pdf
●イラン当局、国際決済での暗号通貨の利用を認める方向へ
●トンガ王国、エルサルバドルとほぼ同じ法案にて2022年中にBitcoin法定通貨化めざす
●Bitcoin Domino | Bitcoinを法定通貨とする国
https://bitcoindomino.com/
3.5. 日本
●金融庁|金融審議会「資金決済ワーキング・グループ」報告書の公表について
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20220111.html
●金融庁|「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第4回)議事録
https://www.fsa.go.jp/singi/digital/gijiroku/20211101.html
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