Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
米SEC、証券法違反の疑いでKrakenを調査
米SEC委員長、KrakenのStaking-as-a-Service告発にコメント
米SECコミッショナー、Krakenへの強制措置について問題指摘
OrdinalsとLightningとNostrを使ったプロジェクト「Astral Babes」
BitcoinからのOrdinal排除は検閲にあたるためBitcoinベースのNFTが留まる可能性
2月7日迄に“inscribed”されたOrdinalsは13,000にのぼる
米FRB、Bitcoinとマクロ経済ファンダメンタルズの関連性を調査したレポートを発表
a16zによる総動員した反対票を受けUniswapのガバナンスがコミュニティの手中にないとの懸念
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●segwit v1(Taproot)のインプットを含むトランザクションの witness内に大量のデータを保存し始めたことについて、Andrew Poelstraは、データの保存を防ぐ効果的な方法はないと回答しているとのこと。
https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2023/02/08/
●Bitcoinマイニング関連のリソースリンク集
https://www.lopp.net/bitcoin-information/mining.html
●Bitcoin NFTについてのガイド記事
●Ordinals、「212 / 時間」「5,088 / 日」「152,640/月」の割合でinscribeされているとのこと。
この割合が続くと、2月24日に10万inscriptions、8月20日に100万inscriptionsを突破するとの見方
●12月14日の初回取引から2月7日迄に13,000のOrdinalsが“inscribed”されたとのこと。
Bitcoinブロックスペースの使用量は526MB、Ordinals関連のコスト負担は6.77BTCに上ると
●Ordinals、Bitcoinのチェーンに要素を含めるための手順であるinscriptionsが既に7,000以上Bitcoinチェーンに含まれているとのこと
1.1.2. L2:Lightning Network
●Lightning NetworkのBitcoinキャパシティ、過去最高を記録。
2022年初頭の3,350BTCから5,490BTCに伸びている。
https://www.theblock.co/post/208817/lightning-network-reaches-all-time-high-in-bitcoin-capacity
●Release of new report:“Emergence of Token Layers on Bitcoin -Overview of Client-Side Validation, RGB and Taro-”
スライドはこちら
●ightning Network: from ecosystem to industry
●Lightning Networkの基本 — トランスポートプロトコル
●OrdinalsとLightningとNostrを使ったプロジェクト「Astral Babes」
Lightningを使ってmintできるBitcoinネイティブなデジタルコレクティブルセット
シンプルなLightning決済を使って、Bitcoinネイティブなデジタルコレクティブルセットのinscriptionsをmintできるバックエンドシステムを構築
その上で、inscriptionsの課題として、それらを安全に管理する軽くて簡単なウォレットがまだ無いことに注目し、Nostrキーを使ってinscriptionsを保持するオープンソースのウェブウォレットを構築
●少額ビットコイン「Satoshi」をゲットして Damus (Nostr) で送金してみるまでの手順
https://chalow.net/2023-02-07-1.html
●BitcoinのパーミッションレスネットワークからOrdinalプロジェクトを排除することは、検閲にあたるとも考えられることから、ネットワークの非中央集権的な性質が維持されるのであれば、BitcoinベースのNFTがここに留まる可能性が非常に高いとの見方。
さらに、Ordinalsはrollup証明などの追加データを保存する道を開き、sovereign smart contractのrollupをBitcoin上に展開することを可能にした、としている
1.2. Ethereum
●StarkWare、Chainlinkの価格フィードをStarkNetテストネットで利用可能にすると発表
https://www.theblock.co/post/208826/starkware-chainlink-labs-partnership
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●Visa、Ethereum上のUSDCで発行者から決済支払いを受け入れる方法をテストしている旨、StarkWare Sessions 2023で発表
クロスボーダー取引でユーロ〜ドル交換できるのと同じく、デジタルトークン化したドル〜従来のドル間で返還できるようにすべき、とも
2.1.2. 投資
●Krakenによる、米国顧客向けのオンチェーンstakingサービスを終了のアナウンス
https://blog.kraken.com/post/17619/settlement/
●Coinbaseは自身のStakingサービスについて、証券に該当しない旨を主張している
https://www.coinbase.com/blog/coinbases-staking-services-are-not-securities-and-heres-why
●LocalBitcoins、サービス停止を発表
●デジタルバンキングサービスのRevolut、英国と欧州経済領域(EEA)の顧客むけにステーキングサービスを提供へ
https://www.coindesk.com/business/2023/02/06/digital-bank-revolut-to-offer-crypto-staking-report/
2.1.3. マイニング
●露ブリヤート州に9億ルーブル相当のマイニングセンターがオープン予定。消費電力100MW、デバイスを3万台収容
https://www.rbc.ru/crypto/news/63e357699a794789f0cd1caa
●暗号資産の採掘者が電力網を救う? 電力の安定供給を目指すテキサス州の“秘策”に賛否
電力を大量消費する暗号資産の採掘業者を呼び込んで再生可能エネルギーの収益安定化を図り、電力需要がひっ迫した際には暗号資産の採掘を停止してもらって需給のバランスをとる
https://wired.jp/article/bitcoin-texas-power-grid/
2.1.4. 社会生活
●グアテマラのビットコイン・レイクに行ってみた|体験記寄稿3
https://coinkeninfo.com/guatemaranobitutokoinreikunixing-tutemita-ti-yan-ji-ji-gao-3/
2.1.5. RegTech
●国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に提出されたドラフトレポートによると、北朝鮮関連のサイバー犯罪グループが昨年1年で$1B以上の暗号資産を手に入れたとのこと
https://news.bitcoin.com/north-korea-stole-record-amount-of-crypto-assets-in-2022-un-report-unveils/
2.2. DAO
●a16z、WormholeブリッジをBNBチェーン上にUniswap v3を展開する案を阻止するために1500万UNIを総動員して反対票。
競合のLayerZeroはa16zのベンチャーポートフォリオの一部であり、Uniswapのガバナンスがもはやコミュニティの手中にないことが懸念されている。
https://unchainedpodcast.com/does-a16z-control-uniswap/
2.3. 中銀デジタル通貨
2.3.1. 欧州
●英中銀、デジタル通貨の発行検討 20年代後半にも
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR06BWH0W3A200C2000000/
●英国中銀BoE、デジタル・ポンドに関するテクノロジー・ワーキング・ペーパーも発表
https://www.bankofengland.co.uk/paper/2023/the-digital-pound-technology-working-paper
●英国中銀BoEによる、デジタル・ポンドに関するコンサルテーションペーパー
https://www.bankofengland.co.uk/paper/2023/the-digital-pound-consultation-paper
●英国中銀BoE、デジタル・ポンドの保有は1人1万英ポンド(US$11,900) に制限される可能性ありとの見方示す
●英国当局、中銀デジタル通貨「デジタル・ポンド」発行時には、デジタル・ポンドを買いだめすることは商業銀行破綻のリスクを高める可能性があるとして禁止の意向。
デジタル・ポンドでの貯蓄が事実上制限される
2.3.2. 中国
●中国の各都市、春節期間中にデジタル人民元(e-CNY)クーポンを1億8000万元($26.6m相当)配布
https://www.globaltimes.cn/page/202302/1284884.shtml
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●BIS Innovation Hub、Stablecoinのバランスシートを監視するツールを開発する「Project Pyxtrial」を発表
https://www.bis.org/about/bisih/about.htm
3.2. 米国
●暗号資産企業が銀行サービスへのアクセスを拒否する、全ての金融規制当局にまたがる米政権の取組は、静かに暗号を禁止しようとするものだとする、Nic Carter氏の見方
●NYDFS、Pax dollar (USDP) やBinance USD (BUSD)等のStablecoin発行するPaxosを捜査
●米SEC、無登録証券をめぐる証券法違反の疑いでKrakenへの調査を開始
●米SEC委員長、KrakenのStaking-as-a-Serviceを無登録証券販売として告発したことについて、「Staking-as-a-Serviceやレンディングその他の手段であろうと、仲介者は法の求める適切な開示と安全策を提供しなければならない」とコメント
●米SECのHester Peirceコミッショナー、Krakenへの強制措置について「SECはStaking プログラムが証券公募として登録されるべきだったと主張しているものの、そもそもSEC登録が可能であったかどうかがより根本的な問題だ」と指摘している。
具体例として、Stakingプログラム全体が登録されるのか、各トークンのStakingプログラムが個別に登録されるのか等の問題が提供されているとし、もっと早くからStakingについてガイダンスを出すように呼びかけるべきだったと述べている。
そのために、ガイダンス発行ではなく、強制措置を講じたが、本来、新興産業において法律とは何かを伝えるために強制措置を用いることは、規制の効率的かつ公正な方法とは呼べない、とのこと。
https://www.sec.gov/news/statement/peirce-statement-kraken-020923
●米SECの審査部、2023年の審査優先順位を発表。
暗号資産の提供・販売・推奨、または取引に関する助言に焦点を当てる旨の記載
https://www.sec.gov/news/press-release/2023-24
●米連邦準備制度理事会、日中データを用いたイベントスタディによりマクロ経済ニュースのBitcoinへの影響を推定することによって、Bitcoinとマクロ経済ファンダメンタルズの関連性を調査したレポートを発表。
他の米国の資産クラスとは異なり、Bitcoinは金融やマクロ経済のニュースに対して直交(orthogonal)しているとのこと。
3.3. 欧州
●英国当局FCA、英国の消費者を対象にマーケティングを行うすべての暗号資産企業は、所定のプロモーションルートに準拠する必要があるとする声明を発表。
違反時は最高で2年の懲役に処せられる刑事犯罪に
3.4. アジア太平洋ほか
●ドバイ当局、「仮想資産および関連活動規則2023」を発表
https://mediaoffice.ae/en/news/2023/February/07-02/Virtual-Assets-Regulatory-Authority
●ドバイ当局が発表した「仮想資産および関連活動規則2023」
https://www.vara.ae/media/Virtual%20Assets%20and%20Related%20Activities%20Regulations%202023.pdf
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