Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
BOLT12、invoiceよりも小さくより多くの情報を含むことができるLightning QRコードが可能に
マイニングの環境影響を再評価し脱炭素化の促進する役割があるとする論文
Riverによる「2025年度のLightning決済」
Circle、プログラマブル・ウォレットを発表
PayPal、USDのstablecoinローンチを発表
MUFGとNTTデータが提携──デジタル社債向け「標準化インフラ」構築
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●BitMEX Researchによる、Paul Sztorc氏のBIP-300およびBIP-301 Drivechain提案を評価記事。
Sidechainのペグアウトシステムとブラインドマージマイニングの利点を評価した上で、Sidechainに関するBitcoinマイニングの経済的・インセンティブ的議論について議論するもの
https://blog.bitmex.com/drivechains/
●Baltic Honeybadger(9/2-9/3)に合わせて8/31-9/4は「RIGA BITCOIN WEEK 2023」
https://baltichoneybadger.com/riga-bitcoin-week
●RBF (Replace-By-Fee)の図解スライド
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1687846433502658560
●Nonce再利用攻撃に関する図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1688628364926496768?s=20
●MuSig (Three-Round Schnorr Sig)に関する図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1688205794070724609?s=20
●Schnorr Signatures (BIP 340)のkey aggregationに関する解説スレ
https://twitter.com/LN_Capital/status/1688190723869356032?s=20
●MuSig2 (Two-Round) の図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1690368120488394752?s=20
●Bitcoin/暗号資産を所有するエンティティに対して行われた既知の攻撃のアーカイブリスト
https://github.com/jlopp/physical-bitcoin-attacks/blob/master/README.md
●Bitcoinのアドプションや利用状況に関するメトリクスリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/statistics-metrics.html
●Bitcoin関連コンテンツで訓練されたチャットボット「ChatBTC」
https://chat.bitcoinsearch.xyz/
●bitFlyerオフィスにてビットコイン社内勉強会をやってきました。
●Bitcoin Amsterdam Conference(10/12~13@Amsterdam)にEdward Snowden氏が登壇へ
1.1.2. L2:Lightning Network
●Riverによる「2025年のLightning決済」
Splicingが数年のうちに大半のlightningウォレットに実装されると予想され、チャネルのサイズ変更が手頃な価格でできるようになる。
Lightning Service Provider(LSP)がノード自体のようなインフラを運営することでユーザーがlightningと分かりやすい方法でやりとりできるようになる。
Taprootが実装されるにつれて、署名集約により支払いチャネルに関する情報を秘匿化できるようになる。
https://river.com/learn/lightning-payments-2025/
●Lightningを巡る直近のアップデートで誤解になった5つのリスト。「Lightningをノンカストディアルに使用するには独自ノードを実行する必要があり、一般ユーザーにはモバイル利用が不可能である」等
●BOLT12 specification、invoiceよりも小さくより多くの情報を含むことができるLightning QRコードが可能に
https://twitter.com/BitcoinNewsCom/status/1689925828379852800?s=20
●マーチャント向けのホスト型Lightning/Bitcoinノードソリューション(ノードプロバイダー)「Nodeless」:Accept Bitcoin Payments [Lightning API]
https://nodeless.io/
●Lightningチャネルを使ってプログラム使用量を予算化した上で、APIを合理的に使用するプログラムを作成できる「SmartSats」
https://bolt.fun/story/introducing-smartsats--972
●ブラウザー上で直接実行される初のセルフカストディアルウォレット「Mutiny」はLDKを使って構築
https://lightningdevkit.org/blog/mutiny-uses-ldk-the-first-lightning-wallet-for-the-web/
1.2. Ethereum
●Coinbase、L2ネットワークBaseのメインネットをローンチ
https://decrypt.co/151870/coinbase-ethereum-l2-launches-mainnet-with-142m-already-on-its-network
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●LangChainBitcoinとReplit、LND、OpenAI、LangChain、L402's、Apertureなどのツールを使って、AIエージェントにBitcoinを認識させる方法について説明する動画。
LightningでBitcoinを使うことで、オンラインでデータやサービスを購入できるAIエージェントが可能に。
●Circle、プログラマブル・ウォレットを発表。
ユースケースに応じて、開発者は最適なウォレットのセキュリティとコントロール設定を選択可能
https://www.circle.com/blog/circle-launches-programmable-wallets
●KPMG、ビットコインがESGに果たす役割をポジティブに評価/世界一小さな LN ATM|Diamond Hands Magazine Vol.100
2.1.2. 投資
●Binance、エルサルバドルでBitcoinサービスプロバイダーおよびデジタルアセットサービスプロバイダーのライセンスを取得
2.1.3. マイニング
●マイニングの環境への影響を再評価するとともに、再エネの拡大および広範な脱炭素化の促進剤として潜在的な役割があると強調する論文
Bitcoinマイニングの文脈では、PoWコンセンサス・アルゴリズムのエネルギー集約的な性質のために批判されてきた一方、PoWマイニングは、エネルギーグリッドに安定性を提供するために設計された補助サービスを提供できる代替手段として浮上している。
Bitcoinマイニングは廃棄ガスの回収という形でサービスを提供できる(現在フレアされている天然ガスの量はBitcoinネットワーク全体の必要量を超えている)。
マイナーにとって主要な再生可能エネルギー源である水力発電は、水力発電容量が過剰な地域で抑制された水力発電で特に効果的であり、環境上の利点とエネルギー輸送の問題を解決している。
Bitcoinマイニングは、エネルギー産業と暗号通貨産業の交差点に潜在的な成長機会を提供する。
PoWマイニングが増加すれば、再生可能エネルギーが有利になり、脱炭素化が促進される可能性。
マイニングは需要側のエネルギーグリッド管理に有益である可能性がある。
柔軟なデマンドレスポンスサービスを提供するBitcoinマイニングの能力と限界を分析した結果、再生可能エネルギーを用いたマイニングは、電力供給の炭素削減効果を促進する可能性がある。
https://www.mdpi.com/2078-1547/14/3/35
2.1.4. RegTech
●カナダ警察当局、ChainalysisのReactor監視ソフトウェアを利用
2.1.5. Stablecoin
●PayPal、USDのstablecoinローンチを発表
https://newsroom.paypal-corp.com/2023-08-07-PayPal-Launches-U-S-Dollar-Stablecoin
●Huobi、Paypal USDの取り扱いを発表
https://www.huobi.com/support/en-us/detail/44945804382445
2.5. 金融機関のデジタルアセットサービス
●CustodiaBank、米ドル預金と米国政府系MMFサービスを米国法人顧客向けに提供開始。Bitcoinカストディーの開始は未だ
https://custodiabank.com/
https://twitter.com/custodiabank/status/1690012708513390592?s=20
2.6. 中銀デジタル通貨
●英BoE、オフラインのデジタル・ポンドと小売業者のニーズについて情報提供要請(RFI)を発出。
オフライン決済がCBDCにとって実現可能かどうか、どのようなリスクが存在し、それをどのように軽減できるかの他、金融包摂やその他の分野でのユースケースに関するもの
https://www.ledgerinsights.com/cbdc-digital-pound-bank-of-england-offline/
2.7. デジタル証券
●「クラブメッド・北海道 キロロ」の資金調達をアレンジ。将来的にデジタル証券での商品化を検討|三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000056997.html
●人気投資系YouTubeチャンネル「たぱぞう投資大学」にて、「ALTERNA(オルタナ)」の解説動画が公開|三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000056997.html
●デジタル証券 少額から投資しやすく:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73500080Q3A810C2EA2000/
●MUFGとNTTデータが提携──デジタル社債向け「標準化インフラ」構築
https://www.coindeskjapan.com/197144/
Section3: Regulation
3.1. 米国
●米議会が取り組んでいる、暗号通貨に広範な影響を与える可能性のある7つの法案
https://www.dlnews.com/articles/defi/us-lawmakers-are-working-on-a-slew-of-crypto-and-defi-bills/
●米SEC、取引所を通じたプログラム販売は有価証券に該当しないとした連邦判事の判決を不服として控訴へ
https://www.ledgerinsights.com/sec-to-appeal-ripple-case/
●米連邦準備制度理事会(FRB)、銀行が特定のドルトークンやStablecoinの活動に従事する前に、その活動を安全かつ健全に行うための適切なセーフガードを備えていることをFRB監督当局に対して証明を求める
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/bcreg20230808a.htm
●FBI、合法的NFT開発者を装ってアクティブユーザーを狙う金融詐欺について警告
https://www.ic3.gov/Media/Y2023/PSA230804
3.2. 欧州
●フランス当局AMF、EUのMiCA対応へ国内の暗号規制の改正を発表。
デジタルアセット・サービスプロバイダーにより厳格な登録要件を課すもの
3.3. アジア太平洋ほか
●香港SFC、ライセンスを受けていない仮想資産取引プラットフォーム(VATP)の一部が "不適切な行為 "を行っていると指摘
https://news.bitcoin.com/hong-kong-securities-regulator-warns-unlicensed-crypto-exchanges/
●ケニア政府がセキュリティ上の懸念を理由にケニアにおけるWorldcoinの事業を停止したことを受けて、警察が倉庫を家宅捜索
https://kahawatungu.com/police-raid-worldcoin-cryptocurrency-warehouse-in-nairobi-over-data/
●アルゼンチン政府、Worldcoinのデータ収集活動について調査を開始
https://news.bitcoin.com/argentina-opens-probe-into-worldcoin-personal-data-treatment-procedures/
3.4. 日本
●新しいステーブルコイン規制の概要 ~令和4年資金決済法等改正法・FATF勧告対応法の施行を踏まえて~(2023年8月7日号)|西村あさひ法律事務所
https://www.nishimura.com/ja/knowledge/newsletters/finance_law_230807
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