クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー(Bitcoinなど)・②ビジネス(ペイメントやDeFi・NFTなど)・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
シードフレーズのバックアップについてのまとめ記事
GameFiのマネタイズモデルとして、既存のP2Eには、長期的な成功を阻む重大な欠陥があるとする見方
自民党「Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略」ホワイトペーパー
Heterogeneous ブロックチェーンネットワークとしての Cosmos・Polkadot・Avalancheの比較
Jack Dorsey、米下院金融サービス委員会の民主党議員に対して、Bitcoinの①エネルギー消費量・②マネロンリスク・③決済手段としての流通量の少なさに関して非公開の質疑応答会を実施。
Roninでハッキング被害。サイドチェーンのリスクと分散性の意義が教訓に
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●オープンソースソフトウェアに資金を提供するためのマイクロペイメントシステム「OpenFare」。
特定のプロジェクトに支払いを送るだけでなく、そのプロジェクトのすべての依存関係にあるものに支払いを送る点が特徴的。
寄付がソフトウェアの依存関係ツリー全体に及び、脚光を浴びない重要なソフトウェアがサポートされる、としている
https://github.com/openfare/openfare
●Submarine Swapとそのプライバシーについて、「CoinJoinとの違い」や「Submarine Swapが有効となるシーン」について解説している
https://www.suresats.com/post/enhance-privacy-to-kyc-d-bitcoin-with-mobile-wallet-submarine-swaps
●ビットコイン 送金手数料設定のコツ
●ビットコイン 送金手数料の決定方法
1.1.2. L2:Lightning Network
●Multi-Path Payments向けのLightningルーティングアルゴリズムの提案。
最適に信頼性が高く安価な決済フローを実現することで、100ミリ秒の実行時間を可能にする可能性があるとしている
Multi-Path Payments向けのLightningルーティングアルゴリズムの提案について、ペーパーはこちら(https://arxiv.org/abs/2107.05322)
https://lists.linuxfoundation.org/pipermail/lightning-dev/2022-March/003510.html
●Lappsnet、LNとEthereumについて | 極度妄想(しなさい) | Spotlight
> メリットはあまりにシンプルですが、Ethereumの人にLNエコノミーにアクセスしてもらうこと、LNの人にEthereum型のアプリケーションを使ってもらえることです。
https://spotlight.soy/detail?article_id=l61yojpxx
●Synonym、Lightningチャンネルで初めてTether(USDT)の取引を実演。メインネットのStablecoinがLightningにブリッジされたのは初めて。
https://www.btctimes.com/news/usdt-is-transacted-using-the-lightning-network
●Lightning実装「c-lightning」、「Core Lightning」(CLN)にリブランディング
●Kraken、インスタント入出金にむけてLightningをサポート。LNDのLightningノードを稼働
https://bitcoinmagazine.com/business/kraken-exchange-integrates-bitcoins-lightning-network
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Axie Infinityの Roninサイドチェーンが$625M の被害に。
gas-free RPC node から見つけたバックドアからAxie DAOバリデーター向け署名を入手して資金を引き出したと見られる模様
●Ronin Network、Chainalysisと協力のもと盗難資金をモニタリングするとともに、Crowdstrikeと協力してフォレンジックを行うなど、流出資金がすべて回収されるか、または払戻を保証すべく尽力している旨を発表
●Roninのハッキング被害は、Rektのリーダーボードでも最大額に
https://rekt.news/leaderboard/
●Roninのハッキング被害は、バリデータの秘密鍵の盗難だったが、ここからの教訓として、サイドチェーンのリスクと分散性の意義を挙げている
1. サイドチェーン上の資産はよりリスクが高い
サイドチェーンに資産を移すと、ベースとなるL1チェーンの分散型セキュリティ・コンセンサスから離れるため、サイドチェーンのセキュリティをトラストすることとなり、コスト・スピードとセキュリティのトレードオフになることに注意。
2. Rollupsとサイドチェーンの違い
サイドチェーンとは異なり、Rollupのセキュリティはベースチェーンに依存しているため、別のバリデーターを信頼する必要はない。
3. スケーリングしても分散化を忘れるべきではない
分散化とセキュリティを犠牲にすることなくスケーリングする方法をみつけるべき。分散化には時間がかかり長期的なゲームとなる。
1.2.2. L2
●zkSyncのエコシステムマップ
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●分散型ワイヤレスネットワーク「Helium」、$200Mを調達し、Nova Labsにリブランドを発表
https://decrypt.co/96386/helium-crypto-wireless-network-founders-raise-200m-rebrand-to-nova-labs
●LayerZero、Sequoia、FTX Ventures、a16zが共同主導するラウンドで$135Mの調達を発表。
分散型オムニチェーン相互運用プロトコル「LayerZero」を搭載したクロスチェーンdAppsの開発を加速へ
●BNB Chain、ネットワークのスケーラビリティを拡大すべくサイドチェーン「BNB Chain Application Sidechain(BAS)」の導入を計画。ゲームなどのリソースが必要なアプリケーションのコスト削減と取引速度の向上が目的
●Heterogeneous ブロックチェーンネットワークとしての Cosmos・Polkadot・Avalancheの比較
https://medium.com/@arikan/a-comparison-of-heterogeneous-blockchain-networks-4bf7ff2fe279
1.3.2. 要素技術
●シードフレーズのバックアップについてのまとめ記事。
シードバックアップを作成する理由として、①破壊による損失、②バックアップからの復元ができないことによる損失、③攻撃者による損失があり、実際にバックアップは1つでは十分ではないことを指摘。
鍵の保管に使用するデバイスで、いつでも好きなときにシードフレーズをエクスポートできなければ、バックアップは一つ以上必要。
そのバックアップが何らかの理由で紛失/盗難/破壊/アクセス不能になった場合に、シードフレーズのコピーは1つしかない。
バックアップデータを保管する場所には危険が潜んでいることを前提にする必要がある。
ビル火災に耐える堅牢な金属製のストレージデバイスを使用していても、アクセス不能になる可能性があるため、それを取り出せるとは限らない。
よくある間違いは、
シードフレーズを写真に撮ったり、オンラインサービスに(暗号化しないで)を保存すること。
シードフレーズを分割することも、ブルートフォース攻撃に対して弱い。
丸暗記しても、忘れてしまったり、怪我をして思い出せなくなる可能性があるため、一時的な非常用に止まる。
Casaのようなマルチシグであれば、シードフレーズを1つ失ったとしても、他の鍵を使って過ごすことができるため、シードバックアップの単一障害点を心配する必要がない。
リカバリテストをしないと万一に使えない。
1.新しいウォレットを作成
2.シードフレーズバックアップを作成
3.少額の資金をウォレットに入金
4.可能であれば、別の名前で新しいウォレットを作成。或いは現在のウォレットを削除
5.バックアップを使って新しいウォレットを初期化し、資金の表示を確認
物理的に安全な場所や見つけにくい場所にバックアップを分散し、災害や攻撃リスクを低くすることが望ましいものの、シーズが危険にさらされていないことを確認するために、時々チェックできるようにしておくことも必要なため、やり過ぎには注意。
市販の金属製バックアッププレートを購入する場合には、発送先の住所が漏れてしまい悪用されることを避けるため、シードフレーズの保管場所となる自宅などには発送すべきでない。
https://blog.lopp.net/how-to-back-up-a-seed-phrase/
●NFTの最も安全な保管方法【ハードウェアウォレットの使い方をゼロから解説】 | kanerin blog
https://kanerinx.com/2022/nft-ledger-nano/
●Blockウォレットの機能詳細について。
2-of-3のマルチシグとなっており、鍵のうち2つはユーザーが保有し(オンラインとオフラインで各1つ)、残り1つはBlockのサーバーに置かれる。
少額取引はスマホアプリとBlockのサーバーの鍵を使って、すべてオンラインで可能。
大きな金額の取引は、スマホアプリとオフラインの鍵が必要。
少額・大きな金額の閾値は、ユーザーが選択可能。
https://wallet.build/how-the-wallet-works/
1.3.3. web3関連
●Web3パブリッシングプラットフォームとしての「Mirror」について解説記事
画像などのメディアブロックや、NFTオークションの埋め込みなどを使って記事を作成できるエディタ
投稿をNFTとしてmintすることで記念品にできる
クラウドファンディングコントラクトを埋め込み、寄付者がERC20トークンを受け取れる
スマートコントラクトを利用して、協力者に支払いルーティングして寄付できる
分散型データストレージプロトコル「Arweave」にコンテンツを永久保存
●新たなクリエイターエコノミーとしてのWeb3クリエイタープラットフォームを、「ダイレクトマネタイズプラットフォーム 」「クリエイターツール」に大別してマッピング
ダイレクトマネタイズプラットフォーム
コミュニティトークン、NFTマーケットプレイス、P2E、コンテンツ、メタバース、音楽
クリエイターツール
ロー/ノーコードツール、マネジメント、ファンとのインタラクション、デザイン、ペイメント
https://www.antler.co/blog/creatoreconomy2022
●プロジェクトやその関係者・弁護士がクリプトの法的リスクをよりよく理解するために整理された「クリプトリーガルリスク・チェックリスト」
カテゴリーは以下7つで全68項目を挙げている。
潜在的な有害性と便益、規制に沿ったプロダクトデザイン、(非)中央集権性、(非)セキュリティ関連、コーポレートセットアップ、税制関連、全般
https://docs.google.com/document/d/1GRNrmyuX1Wrs5dOpCeWhz6DdQteouAEMPzRqMFjbjYo/mobilebasic
●Goldman Sachsの暗号通貨・web3.0・メタバースに関するメガトレンド記事
https://www.goldmansachs.com/insights/topics/digitalization-2022/
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●エルサルバドル訪問レポート
●エルサルバドルのBitcoinエコシステム現地レポート。Chivo Wallet・ATMなどの体験記
●米オレゴン州ポートランドで開催されたBitcoin Lightning Networkパーティの模様。
ベンダー・アーティスト・フードトラックなどが、全てLightning Network経由での支払いを受け付け。
https://www.btctimes.com/news/portlands-lightning-network-block-party
2.1.2. 投資
●Y Combinator卒業生が、Z世代の女性をターゲットにした新しい暗号投資プラットフォーム「Alinea」を発表
https://www.alinea-invest.com/
●スペイン第3位の小売・流通企業「El Corte Ingles」、顧客が投資として暗号通貨にアクセスできるよう、Deloitteとの協業で暗号通貨取引所「Bitcor」を開設へ
2.1.3. 社会生活
●米アリゾナ州フェニックス郊外のChandler市、水道料金の支払いにPayPal保有のBitcoin・ETH・LTCを受け入れ可能に。
市との間は公共料金の支払処理会社Invoice Cloudが仲介
https://www.coindesk.com/policy/2022/03/30/phoenix-suburb-now-takes-bitcoin-for-utility-bills/
●リオデジャネイロ、2023年から、ブラジルで初めて暗号通貨による納税を受け入れ
市民が暗号通貨で税金を支払うと、それが公的財源に到達した時点で現地通貨(レアル)に変換され、市が価格変動の影響を受けるとなく現地通貨で100%の価値を受け取れるようにするとのこと。
https://portaldobitcoin.uol.com.br/rio-vai-aceitar-criptomoedas-no-pagamento-do-iptu-em-2023/
●米フィラデルフィアのアリーナ「Wells Fargo Center」、「Bankless Arena」へ改名。
1996年のオープン以来、アリーナ名称変更は初めてで、10年間の命名権契約となる。
2.1.4. RegTech
●Chainalysis 2022 Crypto Crime Report (2022年 暗号資産関連犯罪レポート:日本語)
犯罪関連資産残高/NFTと犯罪/ランサムウェア/マルウェア/盗難された資金/詐欺/テロ資金供与/ダークマネーマーケット/高リスク地域と制裁対象(北朝鮮・ロシア・イラン)
https://go.chainalysis.com/crypto-crime-report-2022-jp.html
●トラスト・ノー・ワン: 消えた巨額仮想通貨を追え! | Netflix (ネットフリックス)
傾きかけた仮想通貨取引所の若き創設者が急死。資金を引き出せず、激怒した投資家たちからは、その死の裏に隠された真実があるのではないかと疑う声が上がる。
https://www.netflix.com/jp/title/81349029
2.2. NFT
2.2.1. トラディショナルプレイヤー
●ニューヨーク近代美術館(MoMA)、Web3・NFT・デジタルコミュニティ分野での活動加速に向けて、web3アソシエイトを募集中。
●文化審議会文化経済部会 基盤・制度ワーキンググループ | 文化庁
「新たなメディア・テクノロジーを巡る潮流への対応」としてNFTに言及
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunka_keizai/seido_working/
2.2.2. NFTエコシステム
●a16zによる、「クリエイターがNFTをmintする際のパラメータが、プロジェクト実行や活力に影響を与える可能性」についての考察。
①OpenSeaのトップ150のNFTコレクションのmintデータによれば、mint価格が低いほど、初期の支援者のリターンは高くなる。
mint価格が0.25ETH以上に設定されたNFTコレクションは、10倍を超えるリターンを達成したことはほとんどない。
②最も活気のあるセカンダリーマーケットの多くは、プライマリーセールスの売上がほとんどなかった。
成功したNFTプロジェクトの多くは、mintで$5M以下しか調達していない。
プライマリーセールス収益とmint以降の業績には負の相関関係がある。
https://a16z.com/2022/03/31/nft-mint-data-early-decisions/
●GameFiのマネタイズモデルとして、既存のP2Eには、長期的な成功を阻む重大な欠陥があるとする見方。
NFTやゲーム内通貨を購入する「勝つまでクレジットカードを使い続ける(Pay to Win)」という選択肢は、成功したゲームが避けている選択肢。
ほとんどのP2Eゲームで、ゲームをプレイするためだけに多額のNFTの先行投資が必要。
ゲームが楽しいわけでは無いので、プレーヤーが日常的なゲーム行為でお金を稼ぐことは持続可能ではなく、傭兵はより良い牧草地を求めて次から次へと移動してしまう。
奨学金制度も、Axie Infinityで利回りの良い機会を増やし続けることが必要であり、持続不可能である可能性が高い。
●「NFTを著作権法の枠組みに当てはめることの難しさ」と「現状のNFT実装のミスマッチ」について、IC3が投稿した記事。
「著作権法は、創作者が積極的な措置を講じない限り、NFT所有者にいかなる権利も与えない」とした上で、NFTの所有権は、創作物に対する実質的な支配力を所有者に与えるために使用できるものの、その力は自動的なものではない旨を主張している。
その一方で、既存のNFTプロジェクトでは、NFTの著作権をコミュニティメンバーが期待するように動作させるために必要なステップを踏んでいるプロジェクトがほとんど無いと指摘している。
https://medium.com/initc3org/copyright-vulnerabilities-in-nfts-317e02d8ae26
●NFTコレクションにおける「NFTの価格分布」についての考察記事。
コレクション全体では、上位10コレクションがマーケットキャップの60%以上を占め、ジニ係数が~0.9であることから、市場の集中化が見て取れる、としている。
https://medium.com/@GringottsDAO/exploring-nft-price-distribution-across-collections-782193240f2c
●汎用的NFTマーケットプレイスが多くの垂直統合されたマーケットプレイスに追い越さつつある中、ゲーム向けNFTマーケットプレイス「Fractal」が、a16z・Solana Ventures・Animoca・Multicoin Capitalなどから$35M調達。
https://multicoin.capital/2022/04/01/fractal-the-web3-amusement-park/
●NFTデータダッシュボード「Upshot Analytics」がベータリリース
2.3. DeFi
●フィラデルフィアのコミュニティバンクHuntingdon Valley Bank (HVB)、銀行が組成したローンをMakerの担保に
従来型金融機関がDeFiを使ってその資産を担保に借入を行う初めてのケースに。
●LemonadeがAvalanche・Chainlinkと協働でアフリカの農民むけ天候保険を開発へ。
DAO「Lemonade Crypto Climate Coalition」には、DAOソフトウェアスタックを開発するDAOstack、分散型保険アプリを開発するEtherisc、ドイツの再保険会社Hannover Re、農業保険スタートアップPula、リアルタイム気象情報提供http://Tomorrow.ioも参画。
「従来の保険会社の代わりにDAOを、保険証券の代わりにスマートコントラクトを、claim専門家の代わりにオラクルを使うことによって、Web3の共同体的・分散的側面とリアルタイムの気象データを活用して、保険を必要としている人々に安価で即時の天候保険を提供していく」とのこと。
●DeFiで発生したインシデントにかかるリスク要因分析。
66%が技術的なリスクに起因し、24%はが経済的な不均衡による脆弱性であるとしている
https://medium.com/intotheblock/a-primer-on-defis-risks-f3fdd1f55341
2.4. DAO
●DAOを、単一のボトルネックの下に意思決定が集中するモノリシックな組織アーキテクチャから脱却し、「トークン化されたマーケットプレイスを動かす<マイクロサービスの集合体>」として考えるという見方を述べたスレ
製品市場の適合性とコミュニティの適合性は別者なので、トークンインセンティブを開始する前に、ネットワークへの持続的な長期参加を促進できるよう、Supply SubDAOs(供給を促すDAO)・Demand SubDAOs(需要を喚起するDAO)を最初に立ち上げることを検討すべき、と主張している。
●a16z、「トークンのエアドロップが、受け取り手に関する多くの不要な情報を公開してしまう点が問題」だとし、特定の情報を選択的に明らかにすることを可能とするプライバシー保護ツールを開発
ユーザーは、自分の公開鍵にどのコミットメントが関連付けられているかを明かすことなしに、自分がMerkleツリーに属していることをゼロ知識証明を行うことによって、トークンの引き換えが可能
https://a16z.com/2022/03/27/crypto-airdrop-privacy-tool-zero-knowledge-proofs/
2.5. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.5.1. 米国
●BNY Mellon銀、CircleよりUSDC準備金のカストディとして選定
https://news.bitcoin.com/circle-chooses-bny-mellon-to-custody-usdc-reserves/
●Visa、アーティストがNFTを使ってビジネスを成長させるためのクリエイタープログラムを正式ローンチ
https://www.theblockcrypto.com/post/139824/visa-creator-program-nfts
2.5.2. アジア太平洋ほか
●イスラエルのBank Leumi、Paxosと提携してリテール顧客向けに暗号通貨サービスの提供へ。
多くの銀行が利用者を認定投資家に限定する中、BBVAスイスに続いてリテールをターゲットとするもの
https://www.ledgerinsights.com/israels-bank-leumi-plans-to-offer-crypto-services-to-retail-clients/
●コロンビアのネオバンクNequi、暗号通貨ビジネスへの参入を計画
2.6. 中銀デジタル通貨
2.6.1. 欧州
●欧州ECB、フォーカスグループ・インタビューに基づく「新たなデジタル決済手段」に関するレポートを発表。
2.6.2. アジア太平洋ほか
●ケニア中銀総裁、BISイノベーションサミットにおいて「CBDCは金融包摂の特効薬ではない」と指摘。
モバイル決済システムへのアクセスもままならない人は、CBDCでも排除され続け、金融包摂に達する可能性は低いとし、すべての問題の特効薬として見るのはやめるべきと述べている
https://www.ledgerinsights.com/central-bank-of-kenya-cbdc-not-silver-bullet-for-financial-inclusion/
2.6.3. 日本
●日本銀行が実施する中央銀行デジタル通貨に関する概念実証フェーズ2の業務委託先として契約を締結|日立製作所
CBDC周辺機能の実現可能性などに関する実証実験(概念実証フェーズ2において、実験環境構築作業などにかかる業務委託先として、概念実証フェーズ2を4月から開始予定
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/03/0328a.html
2.7. デジタル証券
●日本証券取引所グループ、「中期経営計画2024」において、「2024年度末までにデジタル証券市場の創設・当該市場での新商品取扱い開始」を目標に掲げる
デジタル証券を活用した「グリーン・デジタル・トラック・ボンド」の発行に向けた検討も視野に、グリーン戦略を推進。
4月1日付で事業を開始した「JPX総研」では、「デジタル資産、グリーン金融商品、債券、海外資産など、多様な商品に投資家が効率的に投資できる環境を提供することで、資産運用の効率化に貢献」を掲げている。
●経産省、アクセンチュア株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社が行う「ブロックチェーン技術を活用した電子的取引における第三者対抗要件に関する実証」に関する新技術等実証計画を認定
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220329004/20220329004.html
Section3: Regulation
3.1. 米国
●米SEC、米国債の電子取引に関する規則の変更案を発表。
Blockchain Associationは、規制対象となる「ディーラー」の定義を拡大し、「流動性を提供する効果」を持つ「パッシブマーケットメイキング戦略を採用する」人々を含める、とされており、DeFiが該当する可能性があると指摘。
●米SEC、暗号資産の保護義務の会計処理に関する見解として、会計と開示に関するガイドライン「Staff Accounting Bulletin No. 121」を発表。
https://www.sec.gov/oca/staff-accounting-bulletin-121
●上記に対し、米SECのHester M. Peirceコミッショナーは、暗号資産について、貸借対照表に公正価値で負債と対応する資産を計上すべきであるとしている点について、「クリプトに対する散漫で非効率的なアプローチのもう一つの現れ」とする見解を発表している。
https://www.sec.gov/news/statement/peirce-response-sab-121-033122
●Jack Dorsey、米下院金融サービス委員会の民主党議員に対して、Bitcoinの①エネルギー消費量・②マネロンリスク・③決済手段としての流通量の少なさに関して非公開の質疑応答会を実施。
①Bitcoinのエネルギー消費量については、電力供給エネルギーミックスの変化を、
②マネロンリスクについては、調査官にとってのブロックチェーン・ベースの取引の透明性、
③決済手段としての流通量の少なさについては、西洋諸国以外におけるユーザーベース増加を説明。
3.2. 欧州
●欧州議会でも、「FATFトラベルルールの実施」へむけて欧州委員会・理事会との最終交渉へ
非ホスト型ウォレットについて、「発信者または受益者に関する情報の正確性検証を要求しているが、具体的にどのように検証すべきかは不明であること」から、「コンプライアンス維持上、非ホスト型ウォレットと取引することができなくなる可能性」を問題点として挙げている。
また、非ホスト型ウォレットから1,000ユーロを超える暗号を送金するたびに、(マネロンの兆候・疑いがない場合でも)すべての取引に対してAML当局への通知が義務付けられている点について、「プライバシーの絶対的な侵害」であると述べている。
さらに、FATFのトラベルルールは一定額以上の取引に対してのみ情報共有を要求しているのに対し、草案は最低基準値を設定していない点を指摘。
ブロックチェーンベースの転送では追跡と監視の手段が提供されるため、本来は暗号通貨のAML要件は法定通貨より低くなるべきだと主張している。
●欧州議会、VASPに対して、取引相手の非ホスト型ウォレットの所有者の身元を取引前に確認することを義務付ける資金移動規則の改正を賛成多数で可決。
EUが求める「緊急の」トレーサビリティを満たすために、金額に関係なく、暗号取引の発信者情報一式を送信するよう求めている。
https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/CJ12-PR-704888_EN.pdf
●スペイン中銀副総裁、「スペインでは成人の12%が暗号資産を保有しているとする調査結果もある」とした上で、「これらの投資家が、自分たちがさらされているリスクを十分に理解しているのか、それとも単に非常に高い評価への期待に駆られているのかを確認要」と指摘
「スペインでは成人の12%が暗号資産を保有しているとする調査結果もある」とした出典のレポート「Cryptocurrency adoption rates」
3.3. 日本
●No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係|国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1525-2.htm
●日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)、「NFTビジネスに関するガイドライン 第2版」を公表。
著作権等に関する項目を追加したほか、賭博該当性についてNFTゲームのサービス設計に関する記述を整理したもの
https://cryptocurrency-association.org/nft_guideline_info/
●自民党「Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略」ホワイトペーパー
利用者に対する所得課税の見直しとして、「個人が行う暗号資産の取引により生じた損益について20%の税率による 申告分離課税の対象とすること等を含めた暗号資産の課税のあり方については、暗号資産の位置付けや課税の公平性を踏まえつつ、検討を行う必要 がある。」旨の記載も見られる
●Fintech ニュースレター 金融のデジタル化等に対応するための資金決済法等の改正(案)について | 森・濱田松本法律事務所
https://www.mhmjapan.com/ja/newsletters/financial-regulation-bulletin/40.html
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