Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
FROSTを用いたプライベートな共同カストディアン
英国Lolly POS端末がLighting Networkのサポート追加
Grayscale、スポットBitcoin ETFへの転換をめぐるSECとの訴訟に勝訴
Robinhood、$3b以上のBitcoinを保有することが明らかに
英Cambridge Centre for Alternative Finance、「Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI) 」の手法を改訂
BlackRock、五大マイニングファームのうち四社で二番手の大株主に
埋立地から発生するメタンガスを活用するマイニング・スタートアップNodal社が$13Mを調達
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●FROSTを用いたプライベートな共同カストディアン
FROSTのような、マルチパーティ計算マルチシグを使うことによって、プライベートな共同カストディアンサービスを構築できる、としている。
現状の共同カストディアンは、ユーザーが取引の署名を依頼したことがなくても、ユーザーのウォレット履歴をすべて見ることができ、不適切と判断した署名依頼を検閲したりできてしまう。
FROSTを使うことで、共同カストディアンはマルチシグへの鍵を保持することができる一方で、共同カストディアンが管理する公開鍵とウォレットには気づかないままとできる、とのこと。
●Baltic Honeybadger Conferenceが9/2-9/3の日程でラトビアのRigaで開催中
(day1)のライブストリーミング
Baltic Honeybadgerのプログラム
●Bitcoin開発者ツールやライブラリなどのリソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/developer-tools.html
●MiniscriptほかのBitcoin技術リソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/technical-resources.html
●BIP-32に関する図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1696561927126765588
●BIP-39の図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1696214226094772639
1.1.2. L2:Lightning Network
●「Lightning Node Operator」ことはじめスレ
ノードの運営は人間関係と評判の構築であるため、時間をかけチャネルを閉ざさない良い仲間を見つけること。
ルーティング能力を最適化する上で「インバウンド流動性」と「アウトバウンド流動性」のバランスを取ることが不可欠であるため、
十分なコネクションを持つピアに魅力的な手数料を提供して流動性を高めるか、LSPサービスから購入すること。
Loopはフィーレートが低すぎるとチャンネルを自動閉鎖するため、予期せぬ閉鎖を避けるべく競争力あるフィーを維持すること。
Lightningノードの運営にはアップタイムが不可欠であるため、インターネットや電力が不安定な場合は、クラウドノードを運営すること。
Torはルーティングに時間がかかるため、VPN/VPSを使ってノードを運営すること。
ノードの自動化・分析・最適化がすべてシンプルなUIで行える「Torq」のようなプロ向けツールを使うこと。
https://twitter.com/TorqLN/status/1695800880858005624
●Bitcoin Lightningのエコシステムプレイヤー
https://twitter.com/BTC_LN/status/1695635654426902883
●なぜノンカストディアル型のライトニング送金は頻繁に失敗してしまうのか?【書き起こし】|Diamond Hands Magazine 💎ビットコイン&ライトニングニュース🙌
●ビットコイン・ライトニングネットワークとは? その可能性と課題
https://twitter.com/ysksdr/status/1697518989063364626?s=20
1.2. Ethereum
●(特になし)
1.3. 他チェーン・要素技術
●(特になし)
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●英国Lolly POS端末がLighting Networkのサポート追加
CoinCornerと、ホテル事業むけソフトウェア企業であるLollyの提携により、LollyのPOS端末にLightning機能を追加することが可能になった。
これにより、顧客はLollyのPOSネットワーク上で現金やクレジットカードといった従来の決済方法に加えて、Bitcoinを利用して飲食物を購入できるようになる。
ユーザー体験としては、POS端末で支払い方法を選択した後、CoinCorner決済オプションを選択すると、端末のディスプレイにQRコードが表示される。
●日本でビットコインを流行らせるにはどうすればいいのか本気で考えてみる② - by Koji Higashi|Diamond Hands Magazine 💎ビットコイン&ライトニングニュース🙌
2.1.2. 投資
●Grayscale、スポットBitcoin ETFへの転換をめぐるSECとの訴訟に勝訴。
DC巡回控訴裁判所は、米SECによるGrayscaleのGBTCのスポットBitcoin ETFへの転換拒否を取り消すと発表した。
ただし、GBTCが自動的にビットコインのスポットETFに転換されることを意味するものではないことに注意することが重要である、と指摘されている。
https://twitter.com/BitcoinMagazine/status/1696542063603429571
●Grayscale Investmentsによる、SECに対するGBTCのETF化訴訟で勝訴のプレスリリース
Grayscale Investmentsは、Grayscale Bitcoin TrustのETFへの転換を拒否した米SECの決定に異議を唱えた訴訟において、米連邦巡回控訴裁判所がGrayscaleに有利な判決を下した、とする旨を発表した。
裁判所は、「Grayscale提案の却下は、SECが類似商品に対する異なる取り扱いを説明しなかったため、恣意的かつ気まぐれなものであった。したがって、Grayscaleの申し立てを認め、命令を取り消す」としている。
具体的には、裁判所は「SECは、Bitcoin先物ETPの上場は承認した一方で、Grayscaleが提案したBitcoin ETP(GBTC)の上場は承認しなかった理由を適切に説明しなかった。GrayscaleがBitcoin先物ETPと関連する規制要素にわたって類似しているという実質的証拠を提示した。首尾一貫した説明がない以上、このような類似商品の規制上の扱いは違法であり、Grayscaleの審査請求を認め、米SECの命令を取り消す。」と述べている。
これをうけ、GrayscaleのCEOは、「ETFラップの追加保護を通じてBitcoinへのエクスポージャーを提唱してきた人々にとって歴史的なマイルストーンである」「米国のスポット型Bitcoin ETFの実現に一歩近づいたことは、信じられないほどエキサイティングなことだ」と述べている。
https://grayscale.com/wp-content/uploads/2023/08/GBTC-Decision-829.pdf
●Robinhood、$3b以上のBitcoinを保有することが明らかに
Arkham Intelligenceのウォレットデータを通じて、ウォレットに$3b以上のBitcoinを保有していることが判明。
これは、Binance($6.4b)・Bitfinex($4.3b)に次ぐ第3位のBitcoin保有者にあたる。
2.1.3. マイニング
●英Cambridge Centre for Alternative Finance、「Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI) 」の手法を改訂
以前は急速な進歩に伴いASICハードウェアが陳腐化するため経済的寿命が短いと仮定されていたが、技術進歩の減速により古いマイニングハードウェアが長く採算性を維持しつつある。(図はJ/THで測定した、機器効率の変遷。演算能力には触れていない)
https://www.jbs.cam.ac.uk/2023/bitcoin-electricity-consumption/
●BlackRock、五大マイニングファームのうち四社で二番手の大株主に
https://twitter.com/TheBTCTherapist/status/1695534933823963344
●埋立地から発生するメタンガスを活用するマイニング・スタートアップNodal社が$13Mを調達
Nodal社のCEOは、「マイニングは、送電網に売ることができない余剰エネルギーを利用するのに役立つ」としている。
埋立地から発生するメタンガスを電気に変換し、再生可能電力として地域の電力網に供給し続けるべく、このほど資金調達を発表した。
そのエネルギーの一部は、クリーンなBitcoinのマイニングを通じてブロックチェーンの安全性を確保するために同社が直接使用する。
同社の発表によると、「メタンガスを発電機で燃焼させることで、Nodal Powerはフレアリングやガス抜きよりも二酸化炭素排出量を削減し、無駄になっていた資源を有益に利用することができる」と述べている。
米国におけるメタン排出の約14.3%が埋立地から排出されていると推定されており、こうしたメタン排出量をできるだけ早く削減することは、環境に大きなプラスの影響を与える可能性があるという。
米国南西部に位置する第1発電所は、埋立地ガスで発電した電力を地元の電力会社に輸出している。
西部の山岳地帯に位置する第2サイトでは、埋立地ガスを燃料とする完全持続可能なオフグリッド・データセンターを運営している。
追加資金は、2024年初頭に米国内の3番目のサイトに導入される予定であり、これら3サイトとも、埋立地の有機廃棄物の分解によって発生するメタンガスから再生可能な電力を生産している。
https://decrypt.co/153346/bitcoin-mining-startup-raises-13-million-to-turn-trash-into-btc
2.2. 金融機関のデジタルアセットサービス
●SWIFT、BNP Paribas・Citi・DTCCなどとChainlinkのCross-Chain Interoperability Protocol (CCIP) を使った相互運用性の実証
https://www.ledgerinsights.com/swift-blockchain-interoperability-trial-bnp-paribas-citi-dtcc/
●Barclays、貨幣のプログラマビリティに最適な機関として金融市場インフラ(FMI)を挙げる。例えば英国であれば、BACSやFaster Paymentsなど複数の決済システムを運営するPay UKなどが推測されると
https://www.ledgerinsights.com/programmable-cbdc-barclays/
2.6. 中銀デジタル通貨
●CBDCにはセキュリティ、プライバシー、ガバナンスに関する多くの懸念があるとする、カナダRBCの記事
2.7. デジタル証券
●国内過去最大規模の不動産セキュリティ・トークンの公募及び発行完了について|ケネディクス株式会社、みずほ信託銀行株式会社、野村證券株式会社、及び株式会社みずほ銀行
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20230830/20230830.pdf
Section3: Regulation
●令和6(2024)年度 税制改正要望について|金融庁
"法人(発行者以外の第三者)の継続的な保有等に係る暗号資産について、期末時価評価課税に係る見直しを進めること"
https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/01.pdf
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