Bitcoinを中心とした今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Bitcoin、4回目の半減期を迎える
Kraken、セルフカストディアル・ウォレット「Kraken Wallet」を発表
Core Scientific、テキサス州のマイニング施設を72 MW増強
BlackRockのiShares、Bitcoinのセキュリティや半減期に関する動画を発表
ドイツLBBW、取引所プラットフォームBitpandaとの提携を通じて暗号資産カストディサービスを提供へ
日本銀行、CBDCに関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理を発表
IMF、Bitcoinのクロスボーダーフローに関するレポートを発表
ノルウェー、データセンターにデータ報告義務を課す法案を可決
英国政府、Stablecoinと暗号資産のステーキング・交換・カストディに関する法案を6-7月に提出予定
香港SFCから三社がBitcoinETF立ち上げの条件付き承認を得たとする、Reuters報道
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Bitcoin、4回目の半減期を迎える
1回目の半減期:2012年11月28日(50BTCが25BTCに)
2回目の半減期:2016年7月9日(25BTCが12.5BTCに)
3回目の半減期:2020年5月11日(12.5BTCが6.25BTCに)
4回目の半減期:2024年4月20日(6.25BTCが3.125BTCに)
https://www.thehalvening.com/
●Block 840,000 を迎えブロックリワードは3.125BTCに
https://timechaincalendar.com/en
●Bitcoin 次の半減期まで1,458日ほど
https://www.bitcoinblockhalf.com/
●Bitcoin 4回目の半減期についてのレポート
半減は21万ブロックごとに行われ、今回の後、さらに30回ほどの半減が想定されている
約4年ごとに行われる発行量の減少が、Bitcoinの透明かつ予測可能な通貨政策のバックボーンであり、Bitcoinを証明可能な希少資産にしている
Bitcoin Coreで半減を強制するコードは、C++で書かれた7行のコードで構成される
https://www.galaxy.com/insights/research/bitcoin-halving-digital-scarcity-in-action/
●今回4回目の半減期を迎えたBitcoin、今後残された半減タイミングは29回のみ
https://blog.gosats.io/bitcoin-halving-less-than-a-year-to-go/
●Bitcoinの歴史・セキュリティインシデント・スケーリング論争に関するリソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/history.html
●Bitcoinフルノードに関するリソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/full-node.html
●Bitcoin Core 27.0のリリースノート
https://bitcoincore.org/ja/releases/27.0/
●BitcoinのCovenants提案について。OP_CTV、OP_CAT、OP_CCV、OP_TXHASH、OP_VAULT、APO および OP_CSFSの解説
OP_CTV
2020年1月にJayremy Rubin氏によって提案
スクリプト作成者に、明示的に従わなければならない、より長いトランザクション連鎖を指定できるようにするもの
スクリプト作成者がBitcoinの流れを許可する一連のステップを指定できる
Bitcoinの所有権の複数の異なる状態を多くの異なるトランザクションにわたって移動する、より複雑なアプリケーションが開発可能に
一度多くの状態を定義してしまえば、あとはロジックを連鎖的かつ非インタラクティブに実行可能に
トランザクションにおけるインプットとアウトプットのコミット方法において、他の代替案よりも厳格な点が特徴
提案の全文はBIP119を参照
OP_CAT
conCATenationの略
元々はBitcoinの初期opcodeに含まれていたが、CPUリソースを大量に消費するスクリプトを作ることへの懸念から、2010年に無効にされたもの
スタック・エレメントを組み合わせる機能を提供
OP_CCV
ChechContractVerifyの略
2022年11月に、いくつかの新しいopcodeを使って、Bictoin上のあらゆるものをMerkle化できると提案されたもの
Bitcoinのスクリプトシステムがセーフガードのように機能し、Bitcoinが他の場所で計算されたプログラムの有効バージョンにのみ送られるようにする
プログラムの次に可能な状態の複雑な可能性を表記するために、Merkleツリーを使うことが特徴
スクリプトで有効な次の状態へのBitcoinの移動のみを許可できる
正しい次の状態にコミットする出力にのみBitcoinを移動可能にする
OP_TXHASH
トランザクション内のデータをハードコードしてしまうというOP_CTVの厳格さへのソリューション
トランザクション内のデータに対してより柔軟なコミットメントを可能にするもの
OP_TXHASHを含むスクリプトを使用するトランザクションがどのように見えなければならないか、またはBitcoinをどこに送信するかについて、より細かな選択が可能に
OP_VAULT
Bitcoinを任意の宛先に送る前に遅延期間を設けることができるもの
これにより、窃盗犯が金庫からBitcoinを盗み出そうとした場合に、所有者が金庫に入ってBitcoinを救出する時間が与えられる
APO
AnyPreviousOutputの略
元は「SIGHASH_NOINPUT」として、2015年のLightningホワイトペーパーで提案されたもの
「non-opcode」な提案
新しいsighashフラグを追加することで、署名者が特定のpubkeyにロックされているBitcoinを、そのpubkeyがどのようなトランザクションで使用されているかによらず、使用できる署名を作成可能にするもの
特定トランザクションがすでに設定されていないスクリプトにコミットする署名を生成できるため、特定の出力への支出のみを許可するcovenantsの作成に応用できる
OP_CSFS
Check Sig From Stackの略
任意のメッセージの署名をチェックする機能を追加するもの
現在のBitcoinで署名をチェックできるのはトランザクションだけであり、OP_CHECKSIGというオペコードでチェックする
これに対して、任意のランダムなデータが正しく署名されたことをチェックができ、また、秘密鍵が署名されたトランザクションに含まれる データ以外のコミットメントを認可していることをチェックできるため、非常に強力なチェック
オラクルが任意のデータについてサインオフした場合にのみコインの移動を許可するような場合に利用できる
https://x.com/niftynei/status/1780300489596260668
●Bitcoin Optech Newsletter #298|2023年にネットワーク上で確認されたすべてのトランザクションを クラスターmempoolのノードでテストしたらどのように動作したかの分析
https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2024/04/17/
●bitcoin++ austin!|Austin, TX | 5/1 - 5/4
1.1.2. L2:Lightning Network
●Bitcoin半減期の節目とあわせて振り返るLightning Network の歴史
2015年2月、Lightningの論文発表
2016年7月、2回目の半減期
2016年10月、Lightningテストネットで最初の購入
2018年2月、Bitcoin Pizzaで知られるLaszlo Hanyecz氏がLightningを使ってピザを購入
2018年9月、Lightningの流動性が100BTCを突破
2020年5月、3回目の半減期
2020年12月、Lightningが8,000ノードを突破。チャネル数は29,000以上
2023年4月、LightsparkがSDKとAPIを発表
2024年4月、4回目の半減期
https://twitter.com/lightspark/status/1781477624939941955
1.2. Ethereum
●(特になし)
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●2024 Q1クリプトインダストリーレポート
https://www.coingecko.com/research/publications/2024-q1-crypto-report
1.3.2. 要素技術
●TBDからtbDEX 1.0 がリリース
https://developer.tbd.website/blog/tbdex-v1/
●IdM実験室: IIW#38 Day1クィックレビュー
https://idmlab.eidentity.jp/2024/04/iiw38-day1.html
●IdM実験室: IIW #38 Day2クイックレビュー
https://idmlab.eidentity.jp/2024/04/iiw-38-day2.html
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●4月28日第二回ライトニングマルシェの楽しみ方について語ります - by Koji Higashi
●Diamond Hands Magazine 💎ビットコイン&ライトニングニュース🙌|謎のMr. 100/日本版MicroStrategy?メタプラネット/香港でビットコイン現物ETF承認|Diamond Hands Magazine Vol.149
2.1.2. 投資
●Kraken、セルフカストディアル・ウォレット「Kraken Wallet」を発表
https://blog.kraken.com/product/introducing-kraken-wallet
2.1.3. マイニング
●Core Scientific、テキサス州のマイニング施設を72 MW増強
2.2. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.2.1. 米国
●BlackRockのiShares、Bitcoinのセキュリティや半減期に関する動画を発表
https://www.ishares.com/us/education/investing-with-bitcoin
2.2.2. 欧州
●ドイツLBBW、取引所プラットフォームBitpandaとの提携を通じて暗号資産カストディサービスを提供へ
2.3. 中銀デジタル通貨
●「CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理」の公表について|日本銀行
https://www.boj.or.jp/paym/digital/dig240417a.htm
2.4. デジタル証券
●トークン化された預金を含むプラットフォームを構築するRegulated Liability Network (RLN)が実験段階に
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●IMFによる、Bitcoinのクロスボーダーフローに関するレポートによると、「リスク資産からの回避につれてBitcoin市場通じた活動が増えている」とし、リスク回避資産として扱っていることが伺えると
「Bitcoinのオフチェーンでのクロスボーダーフローは、資本フローの制限を回避するインセンティブと相関しているようだ」との見方
3つの相補的なデータセットを使用して、世界的なBictoin取引と大規模なクロスボーダーフローの包括的な全体像を捉えたもの
Bitcoinのクロスボーダーフローの規模は、特に資本の流れが小さい国において、GDPに比べてかなり大きい
Bictoinのクロスボーダーフローのオンチェーンとオフチェーンの違い
クロスボーダーフローにおいて、オンチェーン取引は、平均してオフチェーン取引よりもかなり規模が大きい
オフチェーンデータは、パラレルレートプレミアムのBitcoinベースの測定値の増加が流出の増加に関連している
Bitcoinが資本フロー制限の回避を容易にすることを示唆している最近の一連の研究とも一致
https://twitter.com/samcallah/status/1780951180765515857
3.2. 欧州
●ノルウェー、データセンターにデータ報告義務を課す法案を可決。マイニングに費やされるエネルギー使用を規制する狙い
https://decrypt.co/226493/bitcoin-miners-forced-out-norway-data-center-law
●英国政府、Stablecoinと暗号資産のステーキング・交換・カストディに関する法案を6-7月に提出予定
3.3. アジア太平洋ほか
●香港SFCから三社がBitcoinETF立ち上げの条件付き承認を得たとする、Reuters報道
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