Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
BIS等が、暗号資産市場とDeFiのマクロ経済的関連性に着目したデータ・プラットフォームを構築する「Project Atlas」を発表
UBS Asset Management、シンガポールMAS「Project Guardian」の一環でトークン化されたMMFを試験的に発行
韓国中銀、BISと共同でホールセールCBDCのパイロット計画を発表
Coinbase、シンガポールMASから主要決済機関(MPI)ライセンスを取得
Lightning上のDLCを利用した、Bitcoinを担保にしたセルフカストディアルな𝗣𝗘𝗥𝗣𝗘𝗧𝗨𝗔𝗟 𝗙𝗨𝗧𝗨𝗥𝗘𝗦取引の実装
LND 0.17 betaがリリース
LN+がLightning Liquidity Poolをローンチ
DLCがカウンターパーティリスクを取り除くことによって重要な役割を果たすとするBitcoin MMFに関するリサーチペーパー
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●bitcoin++ nix-edition
●技術書以外も含むBitcoin関連書籍リスト
https://twitter.com/lopp/status/1710204842369491402
●Bitcoin ブログリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/blogs.html
●Bitcoin MMFに関するリサーチペーパー。DLCがカウンターパーティリスクを取り除くことによって重要な役割を果たすと
https://www.axiombtc.capital/orange
●Eclipse Attackの図解スレ
https://x.com/BTCillustrated/status/1708446338604548501?s=20
●LNノードの安全な遠隔操作|Bitcoin Optech Newsletter #271
https://x.com/bitcoinoptech/status/1709512767579779563?s=20
1.1.2. L2:Lightning Network
●LND 0.17 betaがリリース。「Simple Taproot Channels」により、Taprootトランザクションで予告なしのチャンネル開設可能に
「Simple Taproot Channels」の名称は、Lightningプロトコル内でMuSig2とTapscriptスクリプトの使用を可能にする最小のコミットメント形式のアップグレードであったことに由来するもの。
LNDはLightningの実装として初めて、すべてのオンチェーン・トランザクションをTaprootトランザクションとして処理可能に。
Taproot Channelsによる利点は、オンチェーン・プライバシーの向上。
https://x.com/lightning/status/1709276226806841365?s=20
●Lightning Networkディープダイブ記事
https://x.com/BTC_LN/status/1708151781950370191?s=20
●LN+がローンチしたLightning Liquidity Pool(Diamond Hands Magazine Vol.110でも紹介)
https://lightningnetwork.plus/pool
https://stacker.news/items/267577
●LNの中継ノードが転送する支払いを分割して、経路を追加して分割した支払いを転送し、受信ノードは分割された支払いがすべて届くまでまって、その先に転送できるようにする提案PSS(Payment Splitting and Switching)
https://x.com/techmedia_think/status/1710207209525969105?s=20
●Lightning DLCの実装拡張によるオンチェーンフットプリント最小化
https://mailmanlists.org/pipermail/dlc-dev/2023-September/000177.html
●Mutinyチームが発表した、決済の信頼性にむけた取り組みの回顧ブログ
https://blog.mutinywallet.com/fixing-payment-reliability/
●Lightning上のDLCを利用した、Bitcoinを担保にしたセルフカストディアルな𝗣𝗘𝗥𝗣𝗘𝗧𝗨𝗔𝗟 𝗙𝗨𝗧𝗨𝗥𝗘𝗦取引の実装
https://x.com/get10101/status/1707474040590393470?s=20
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●Baltic HoneyBadgerカンファレンスにおけるBTCPay Serverコラボレーションケーススタディの動画(30秒) および チュートリアル動画(15分)
https://x.com/BtcpayServer/status/1709955574425624989?s=20
https://x.com/BtcpayServer/status/1709960794098569334?s=20
●Nostrはただの分散SNSを超えたライトニングのキラーユースケースになるポテンシャルがある
Nostrとは何?
Nostrは分散SNS以外にも応用できる
ライトニングのマイクロペイメントとNostrの組み合わせの威力
Nostrはライトニング普及の鍵になるのではないか
●グローバル版モバイルSuica?Virtual Bolt CardのAPKが公開|Diamond Hands Magazine Vol.110
●ナイジェリアのLightning決済アプリLightning-pay
https://github.com/JagahOrg/lightning-pay
2.1.2. 投資
●日本暗号資産取引業協会(JVCEA)、暗号資産取引についての年間報告2022年度版を公開
https://jvcea.or.jp/cms/wp-content/themes/jvcea/images/pdf/tokei_20230929.pdf
●FTXが公表していた保険資金残高は、ランダムなものだったとのこと
https://x.com/BitMEXResearch/status/1710416199115247926?s=20
●Coinbase、シンガポールMASから主要決済機関(MPI)ライセンスを取得。
個人・機関の双方に対してデジタルペイメントトークンサービスの提供拡大が可能に
https://www.coinbase.com/blog/coinbase-obtains-major-payment-institution-licence-from-the-monetary
2.1.3. マイニング
●Volcano EnergyとLuxor Technologies、エルサルバドル初のマイニングプール「Lava Pool」設立へ
2.1.4. 社会生活
●英チェース銀行、暗号資産取引禁止へ/選挙不正をBTCタイムスタンプで検出/1844億BTCのバグ|Diamond Hands Magazine Vol.111
2.1.5. RegTech
●Chainalysis、売上高の70%を占めている公共部門への進出をさらに進めるとのこと
2.2. 金融機関のデジタルアセットサービス
●野村のLaser Digital、東京オフィス開設
2.3. 中銀デジタル通貨
●UBS Asset Management、シンガポールMAS「Project Guardian」の一環でトークン化されたMMFを試験的に発行
https://www.ledgerinsights.com/ubs-tokenized-fund-public-blockchain/
●韓国中銀、BISと共同でホールセールCBDCのパイロット計画を発表。
トークン化預金の決済資産として機能することと、CBDCとトークン化された資産が同じネットワーク上に存在する「Unified Ledger」のコンセプトを実証するもの。
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●IMF、暗号資産に起因するシステミックリスク評価フレームワークに関するペーパーを発表
●BIS・Eurosystem・オランダ中銀・ドイツ中銀、暗号資産市場と分散型金融(DeFi)のマクロ経済的関連性に着目したデータ・プラットフォームを構築する「Project Atlas」を発表。
取引所から収集されたオフチェーンデータと粒度の細かいオンチェーンデータを組み合わせるもの。
最初のPoCでは、Bitcoinネットワーク内の暗号資産取引所に帰属するトランザクションを、それらの取引所の場所とともに、暗号資産の代理として使用することによって、地理的な場所を横断する暗号資産の流れを導出したとのこと。
暗号取引所間のフローは、オンチェーンネットワークの総トラフィックと比較すると比較的小さいものの、経済的に重要かつ相当なものであることが確認されたとしている。
これに可能であれば取引所に地理的なエリアを割り当てることによって、クロスボーダーなフローの構造が明らかになるため、法域を超えた構造分析の出発点となることが期待されている。
こうした結果を踏まえ、暗号資産市場のマクロ経済的関連性や潜在的な金融安定性への影響の分析に使用できるデータ提供に繋がるとの見方がされている。
https://www.bis.org/about/bisih/topics/suptech_regtech/atlas.htm
https://www.bis.org/publ/othp76.htm
3.2. アジア太平洋ほか
●香港SFC、暗号資産取引所を監視するタスクフォースを発足
https://apps.sfc.hk/edistributionWeb/gateway/EN/news-and-announcements/news/doc?refNo=23PR116
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