クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー(Bitcoinなど)・②ビジネス(ペイメントやDeFi・NFTなど)・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Éclair、オフライン Bitcoin Lightning決済がまもなく可能に
マクドナルドで仮想通貨決済も ルガーノ市の挽回策「プランB」
破綻した暗号資産レンディングCelsiusの裁判所提出書類(14,500ページ)が流出
Mastercard、詐欺を起こしやすい暗号取引所を銀行が特定した上で、取引を遮断するのに役立つ「Crypto Secure」をローンチへ
「アプリケーション特化型チェーン」の動向
Maker DAO、上限$500mでDAO初のバランスシート投資を実施。80%を米国債・20%を社債に投資
米財務省 金融安定理事会、デジタルアセットの金融安定化リスクと規制に関する報告書を発表
NY連銀、デジタルアセットのエコシステムがよりシステミックになった場合、将来的に金融の安定性にリスクをもたらす可能性のある新たな脆弱性について説明するレポートを発表
欧州委員会、対ロシア制裁で暗号資産に関する禁止事項を強化
カナダ中銀、リテールCBDCのアーキタイプを発表
SWIFT、異なるCBDCネットワーク間の取引に関して、Capgeminiと行った実験結果を発表
デジタル庁「第1回Web3.0研究会」
金融庁「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Bitcoin関連の教育リソース集スレ
1.1.2. L2:Lightning Network
●Éclair、オフライン Bitcoin Lightning決済がまもなく可能に。
ノードがオンラインに戻るまで資金を保持するサードパーティへの依存を減らすアップグレード。
Éclair #2435は、ノードがインターネット接続を回復するまで資金を一時的に保持することができる「トランポリンリレー」を提案したもの。
Matt Coralloなどは、Point Time Locked Contracts(PTLCs)の方が「トランポリンリレー」よりオフラインのLightning決済に適しているとしている。
PTLCは、条件付支払いを公開鍵でロックした上で、ノードがインターネット接続を回復した時点で対応する署名を使ってロックを解除することによって、条件付支払いを安全にする代替方法を提供するもの。
これに対し、Éclair 2435はPTLCを使わない。
代わりに、オフラインのノードが接続を回復できるまで、資金の転送を遅らせるようにサードパーティに要求する、非同期決済。
https://protos.com/offline-bitcoin-lightning-payments-will-soon-be-possible/
●ライトニングでもWeb3構想は可能か?レイヤー3の動きを紹介 - by ごっつ
●オニオンメッセージと非同期ペイメント
https://spotlight.soy/detail?article_id=7uxo0y3cs
●ボード上の図形を組み立てるブロックパズルを解くことで、Bitcoinがもらえるモバイルパズルゲーム「Braindoku」。
satのシンボルマークがついたブロックを消すと、Bitcoinが手に入り、ZEBEDEEアプリに引き出すことができる。
https://blog.zebedee.io/braindoku/
●Lightning Network Basics — Part 1
https://medium.com/nayuta-en/lightning-network-basics-part-1-42cf0fdd6607
●Lightning Networkの基本 (2)
https://medium.com/nayuta-inc/lightning-network%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC-2-17f1afa87d16
●ビットコイン基盤でスマコン実現目指す、フルグルがDiamond Hands支援
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ea6a790440470e81b8121aa927d3c76bacfa4bf
●ビットコインとライトニング上のスマコン規格 RGBに関する現状の所感
●BitcoinやLightningを使って、KYCなしでeSimを取得するサービス「Silent.link」
https://silent.link/
●Lightning Networkを利用したマイクロペイメントによる汎用電力メータリングプロジェクト「GRID」
http://andyschroder.com/DistributedCharge/GRID/Overview/
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Devconスケジュール(10/11-10/14)
https://app.devcon.org/schedule
●Devconマニュアル
https://blog.ethereum.org/2022/10/04/devcon-manual
●ETHBogota(10/7-10/9)
https://bogota.ethglobal.com/
●ETHBogota Workshop Room 2 - Session 1 の動画
https://ethglobal.tv/ethbogota-workshop-room21-k9mml
●ETHBogota Workshop Room 3 - Session 2 の動画
https://ethglobal.tv/ethbogota-workshop-room32-czxcx
●ETHBogota Workshop Room 4 - Session 2 の動画
https://ethglobal.tv/ethbogota-workshop-room42-ilxgx
1.2.2. L2
●(特になし)
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●Binance Bridgeに、200万BNB(~$566M USD)のハッキング。
Bridgeが証明を検証する方法にバグがあり、攻撃者が任意のメッセージを偽造することができたとのこと
●「アプリケーション特化型チェーン」の動向
アプリケーションが需要に応じて拡張するため、よりカスタマイズ性が高くより堅牢なビジネスモデルが求められるようになっていることをうけて。
https://medium.com/1kxnetwork/application-specific-blockchains-9a36511c832
1.3.2. 要素技術
●破綻した暗号資産レンディングCelsiusの裁判所提出書類(14,500ページ)が流出。
全ユーザーの名前と住所が、最近の取引額とセットで記載されている。
●先月9/21-9/23に開催された「Mainnet 2022」の動画が公開されている
https://www.youtube.com/playlist?list=PL3tx1indP9p-8eYTGff9_AqcPW9zTtm3r
●Zero Knowledgeに関するa16zによるリソース集「Zero Knowledge Canon」。
https://a16zcrypto.com/zero-knowledge-canon/
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●スイスのLuganoにあるマクドナルド、Bitcoinを使って支払い可能に
●Visa、FTXと提携し、ラテンアメリカ・アジア・ヨーロッパを中心とした40カ国でデビットカードを提供へ
2.1.2. 投資
●Huobi Global、香港のCapital Managementによる買収に合意
https://www.huobi.com/support/en-us/detail/84919491689932
●カナダのオンタリオ州証券委員会、カナダ人の30%が2023年に暗号通貨を購入する予定と発言
●Telegram、Wallet Bot上でユーザー同士が暗号通貨を交換可能に。
Telegramアプリを通じてユーザー間で暗号通貨の販売が可能になり、取引所サービスが各取引の保証人として機能するようになる。
https://blockworks.co/telegram-wallet-now-lets-users-exchange-crypto-with-each-other/
2.1.3. マイニング
●Grayscale、Bitcoinマイニング機器を購入するためのエンティティ「Grayscale Digital Infrastructure Opportunities LLC(GDIO)」を設立へ。
マイニング機器によって得られたBitcoinを売却して利益を得るもの。
●アルゼンチンの国有エネルギー会社YPF、マイニング会社に電力を供給
2.1.4. 社会生活
●マクドナルドで仮想通貨決済も ルガーノ市の挽回策「プランB」
●スイスLuganoで開催される「Plan B Forum」(10/28-10/29)
https://planb.lugano.ch/planb-forum/
2.1.5. RegTech
●Mastercard、詐欺を起こしやすい暗号取引所を銀行が特定した上で、取引を遮断するのに役立つ「Crypto Secure」をローンチへ
CipherTraceによって提供され、決済ネットワーク上の暗号取引所に関連する犯罪リスクを判断するもの。
https://www.cnbc.com/2022/10/04/mastercard-deepens-crypto-push-with-tool-for-preventing-fraud.html
2.2. DeFi
●Tetherのポートフォリオ、9月末時点で資産の58.1%が米国t-bills(米国財務省短期証券)で保有。
6月末時点の43.5%から上昇。
CPのエクスポージャーは現在50M未満に
2.3. DAO
●Maker DAO、上限$500mでDAO初のバランスシート投資を実施。80%を米国債・20%を社債に投資
2.4. 中銀デジタル通貨
2.4.1. グローバル
●SWIFT、異なるCBDCネットワーク間の取引に関して、Capgeminiと行った実験結果を発表
2.4.2. 米国・カナダ
●カナダ中銀、リテールCBDCのアーキタイプを発表
https://www.bankofcanada.ca/2022/10/staff-analytical-note-2022-14/
2.4.3. アジア太平洋ほか
●インド中銀(RBI)、デジタル・ルピーのパイロットを開始へ
リテールとホールセールの両方のユースケースを持つことになる模様
Section3: Regulation
3.1. 米国
●米財務省 金融安定理事会、デジタルアセットの金融安定化リスクと規制に関する報告書を発表
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy0986
●米財務省 金融安定理事会が発表した「デジタルアセットの金融安定化リスクと規制に関する報告書」
https://home.treasury.gov/system/files/261/FSOC-Digital-Assets-Report-2022.pdf
●米財務省 金融安定理事会が発表したファクトシート
●米財務省 金融安定化監視委員会でのイエレン財務長官の発言
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy0990
●NY連銀、デジタルアセットのエコシステムがよりシステミックになった場合、将来的に金融の安定性にリスクをもたらす可能性のある新たな脆弱性について説明するレポートを発表。
Stablecoin間のランリスク、DeFiプラットフォームの脆弱性、相互接続の拡大など
https://www.newyorkfed.org/medialibrary/media/research/staff_reports/sr1034.pdf
●米SEC、インフルエンサーが宣伝のために受け取った支払いを開示することなく、暗号資産証券をソーシャルメディア上で宣伝したとして告訴
https://www.sec.gov/news/press-release/2022-183
3.2. 欧州
●欧州理事会、暗号資産市場(MiCA:Markets in Crypto-Assets)規制を可決
https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-13198-2022-INIT/en/pdf
●欧州委員会、対ロシア制裁で暗号資産に関する禁止事項を強化。
金額にかかわらず、すべての暗号資産のウォレット、口座、または保管サービスが禁止される(以前は1万ユーロまで許可)。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_5989
●欧州議会、脱税撲滅のためのブロックチェーンの有効活用と、暗号資産への課税について加盟国がより協調することを求める決議案を採択
●欧州ESMA、「暗号資産と金融の安定性に対するリスク」レポートを発表
3.3. 日本
●デジタル庁|第1回Web3.0研究会(資料)
https://www.digital.go.jp/councils/31304f21-d56a-4d15-b63e-3b9ef1b96e38/
●金融庁|「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第7回)配布資料
https://www.fsa.go.jp/singi/digital/siryou/20221004.html
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