暗号通貨・暗号資産をめぐる今週のトピックについて、個人的なつぶやき。
ざっくり、①テクノロジー(Bitcoinとか)・②ビジネス(ペイメントやDeFiとかNFTとか)・③規制まわり、でおさらい。
今週の注目トピックは、
ETHDenver 2022カンファレンスの模様
2016年The DAO事件のハッカーと見られる人物が特定
初のEVM互換のZK Rollup、zkSync 2.0がパプリックテストネットローンチ
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Bitcoinはアーリーアダプターの段階を脱し、より大衆的なプロダクトに移行しつつある中で、セキュリティの観点からも、ソフトウェアやUIがよりシンプルになる必要があるとしている
https://cointelegraph.com/news/bitcoin-s-last-security-challenge-simplicity
●Advancing Bitcoin Developer Conference 2022(3/3-3/4, London)
https://www.advancingbitcoin.com/
1.1.2. L2:Lightning Network
●Cash AppのLightningサポートについて、UIデザインの観点から、UIの矛盾を修正するための提案
https://d.elor.me/2022/02/thoughts-on-cashapps-lightning-user-flows/
●Bitcoinスケーリングに向けたセカンドレイヤープロトコルCoinPoolのホワイトペーパー
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●ETHDenver 2022タイムテーブル
https://ethdenver.sched.com/
●ETHDenver動画ストック
https://www.twitch.tv/ethereumdenver/videos
●ETHDenver のRecap記事
●ETHDenverの感想スレ
●ETH Denverの必見パネル動画リスト。ETH Denver 2022には、前回の2019から倍増の12000人が参加。
https://newsletter.banklesshq.com/p/8-things-you-missed-at-ethdenver-ab5
●ETHDenver の動画(全114本)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAy4HNUNlzRmYhKZxvPifaERMYreW_jPu
●マイナーに直接トランザクションを提出することにより、トレーダーにMEVプロテクションを提供するプライベートトランザクションサービス「Eden Rocket RPC」
https://rpc.edennetwork.io/
1.2.2. L2
●初のEVM互換のZK Rollup、zkSync 2.0がパプリックテストネットローンチ
https://matterlabs.medium.com/zksync-2-0-public-testnet-is-live-de870ba9632a
●Yearn Finance、Arbitrum上でのローンチを発表。Binance やFTX用いてArbitrumからの引き出しも可能に
●StarkWareのStarkNet、パブリックベータを開始し、OperaブラウザとDiversiFi exchangeとの連携を発表
●ArgentやLayerSwapを活用した、L2 DeFi開始アプローチ
EthereumとzkSyncでキュレーションされたDeFiの機会を提供しているモバイルソーシャルリカバリーウォレットArgent。
フィアットオンランプサービスRampとの提携によって、ArgentユーザーはRamp経由でArgentのzkSyncのL2ウォレットへカードで資金供給できるようになっている。
さらに、
ステーキングプロトコルLidoからのETHステーキングやYearn Curveへの投資
ZigZag DEXを通じたUSDC・DAI・WBTC取引
などが可能に。
https://www.argent.xyz/blog/how-to-use-defi-on-layer-2/
また、ブリッジングプロジェクト「LayerSwap」を使うことで、カードを使わずに取引所を通してトークン購入可能に。
Binance・Coinbase・FTXなど取引所から、Arbitrum・Optimism・zkSync・PolygonなどのL2に対する送金をサポート。
https://www.layerswap.io/
●zkSync対応 Argent Walletのインストール方法・使い方 【ETH L2】 — kumanomi.btc
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●Polkadot と Kusama Network、NFTサポートへ
1.3.2. 要素技術
●The GraphにおけるNFTベースのオーナーシップの導入。
新しく作成したSubgraphは、作成したアカウントに紐付けられ、Subgraphの所有権を譲渡することができないため、マルチシグにコントロールを移動したり、コミュニティメンバーがDAOに代わって作成するなどに際に不都合であった。
NFTベースのオーナーシップによって、アプリ開発者が新しいサブグラフを公開するたびに、GNSがNFTを作成し、NFT所有者が、そのSubgraphをコントロールできるため、異なるアカウントへの転送が可能に。
https://forum.thegraph.com/t/gip-0018-subgraph-ownership-transfer/2589
●Web3データエコノミーのエコシステムマップ。
オラクル(chainlink)、マーケットプレイス(ocean)、アイデンティティ(ENS)、ストレージ(IPFS・arweave)、インフラ(The Graph)など
●ARK Investment Managementによる「BigIdeas2022」レポート。
P38-P75で、パブリックチェーン・Bitcoin・Ethereum&DeFiおよびWeb3について解説している。
パブリックチェーンはあらゆる従来型アセットクラスを変革し、「マネー」「金融」「インターネット」の3分野における革命をもたらすとし、それぞれ異なるレベルのトラストを必要とする旨。
Bitcoinについては、決済ネットワークとしてのシェア拡大や、技術面のブレークスルーなどを踏まえ、機関投資家の関心をひきつけているとした上で、持続可能性の欠如への懸念は誤ったものだと指摘。
Ethereum&DeFiについては、DeFiとNFTへの対応を通じたネットワーク活動の活発化、DAOによる新しい形の調整とガバナンス、Stablecoinによる取引・レンディング・決済の促進を取り上げている。
Web3については、デジタルオーナーシップに着目し、NFTが静的な収集品から動的なデジタル資産に移行する可能性があるとした上で、消費と投資の境界が曖昧になり、ブロックチェーンゲームはエンタメと同時にマネタイズが可能になる点を紹介している。
https://research.ark-invest.com/hubfs/1_Download_Files_ARK-Invest/White_Papers/ARK_BigIdeas2022.pdf
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●(特に無し)
2.1.2. 投資
●Coinbase、ウォレットブラウザエクステンションを通じてハードウェアウォレットLedgerをサポート
https://decrypt.co/93387/coinbase-adds-support-ledger-hardware-wallets
●Amber Group、Temasekなどから$200m調達
●日本発「Web3起業家」支援事業開始の「Next Web Capital」、WiLやビットバンクらから11億円調達
https://www.neweconomy.jp/posts/193776
2.1.3. マイニング
●Intel、BitcoinマイニングチップBMZ1を発表
https://decrypt.co/93390/intel-unveils-bitcoin-mining-chip-3600-watt-mining-rig
2.1.4. 社会生活
●エルサルバドルへの旅行客、Bitcoin法が施行され30%増、以前は中米諸国メインだったが、米国からが60%に
2.1.5. RegTech
●2016年The DAO事件のハッカーと見られる人物が特定されたとのこと。記事中ではTenXの共同設立者兼CEOの名前をあげている。
記事の筆者はLaura Shin。
Lura Shinによる新著「The Cryptopians」
調査にはChainalysisも協力
Wasabi WalletによるBitcoinミキシングツールCoinJoinを通じたトランザクションのトレースに、Chainalysisが成功したとされる件について、「Wasabiユーザーがアドレスの再利用などといったミスをした場合に、WasabiトランザクションのDemixも可能である」ことが指摘されている
2.2. NFT
2.2.1. トラディショナルプレイヤー
●Sotheby’s、104点のCryptoPunksコレクションのオークションが予定時刻直前でキャンセル
2.2.2. NFTエコシステム
●メタバースにおけるWeb3の役割を表現したスタック図
①コンシューマー層
①-1 ディスカバリー:メディア、ソーシャル、検索
①-2 ユーザビリティ:ウォレット、アグリゲーション・インターフェース
②メタバース層
③Web3層
③-1 オーナーシップ、アイデンティティ
③-2 金融:保険、オラクル、レンディングなど
③-3 インフラ:ストレージ、ノード、クエリなど
③-4 プロトコル:L2、L1、ブリッジなど
④インターネット層
●Web3・メタバース実現にむけた改善タイムライン
●FTX Gaming、ゲーム会社がトークンを発行したりNFTをサポートできるように支援する「crypto-as-a-service」プラットフォームとして立ち上げ
●Aaveの実験部門が、時間をNFTとしてPolygon上でmintするプラットフォーム「Aika」を発表
●NFTアーティストPplpleasrがETHDenverで発表した分散型動画プラットフォーム「Shibuya」
●NFTエコシステムの動向把握ツール
ディスカバリーアプリ「Context」
https://context.app/feed/collectors
NFTマーケットプレイスアグリゲーター「Gem」
https://www.gem.xyz/
NansenのNFT Paradiseダッシュボード(24H NFT Market Overview)
2.3. DeFi
●Luna Foundation Guard、クリプト市場の暴落に備えたBitcoin準備金設立にむけ、TerraブロックチェーンのネイティブトークンLUNA販売を通じて$1bを調達。
Luna Foundation GuardはアルゴリズムベースStablecoinであるTerraのエコシステム成長にむけ1月に設立されたもの
https://www.theblockcrypto.com/post/134871/luna-founation-guard-token-sale
2.4. DAO
●クリプトにおけるメタガバナンス
2.5. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.5.1. 米国
●BNY Mellon、機関投資家のデジタルアセット向けカストディプラットフォームのローンチを計画。
今年後半に米国、次いで英国でサービスインの予定
https://www.cityam.com/exclusive-bny-mellon-plots-launch-of-crypto-custody-platform/
●BNY Mellon、リスク管理強化にむけてChainalysisを導入へ
https://decrypt.co/93656/bny-mellon-scales-up-crypto-ambitions-tracking-customers-bitcoin
●JP Morganのクリプト・メタバースの責任者を務めメタバースレポートを発表するなどしたChristine Moy氏が退社
2.5.2. 欧州
●(特に無し)
2.5.3. アジア太平洋ほか
●韓国KBアセットマネジメント、デジタルアセット運用準備委員会を発足。
仮想資産の現物投資ETFによるファンドや、仮想資産テーマの株式型ファンド、仮想通貨インデックス指数など関連商品の発売準備予定。カンファレンス開催や、定期刊行物出版も計画。
http://www.kbam.co.kr/notice/view/2753
2.5.4. 日本
●MUFG、アカマイとのブロックチェーン合弁会社を清算--コロナ禍で需要見込めず
https://japan.zdnet.com/article/35183886/
2.6. 中銀デジタル通貨
2.6.1. 欧州
●スウェーデン中銀riksbank、e-kronaプロジェクトの第2フェーズ(CBDCのオフライン機能、パフォーマンスなどの技術テスト)を完了し、第3フェーズでは技術的なテストと分析から得られた教訓をもとにe-kronaの要件を策定へ
2.6.2. アジア太平洋ほか
●アラブ通貨基金(AMF)、CBDCガイダンスノートを発表
2.7. デジタル証券
●三菱UFJ信託銀行、NFTを用いて、株主優待等の特典や、特定のアセット・サービスに関する利用権・会員権といった権利をユーティリティトークンとして発行可能な「Progmat UT」及びデジタルアセット用ウォレットサービスの開発開始を発表
https://www.tr.mufg.jp/ippan/release/pdf_mutb/220221_1.pdf
●三菱UFJ信託銀行とケネディクス・大和証券およびSMBC日興証券の4社、Progmatを活用し、受益証券発行信託スキームを用いた資産裏付型セキュリティトークンの公募につき協業を発表
https://www.tr.mufg.jp/ippan/release/pdf_mutb/220221_2.pdf
●三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社、2022年2月22日付で東京23区の不動産を投資対象とする不動産ファンドのアセットマネジメント業務を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000056997.html
●三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社から、セキュリティトークンビジネス領域における三菱UFJ信託銀行・野村證券との協業と、不動産を裏付資産とするセキュリティトークンの公募について発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000056997.html
Section3: Regulation
3.1. 米国・北米
●米ワイオミング州議員、州独自のドルペグ型Stablecoin発行法案「Wyoming stable token act」を提案
https://wyoleg.gov/Legislation/2022/SF0106
●米コロラド州知事、暗号通貨による州税・手数料の支払い受け入れを今夏までに受け入れる旨を発表
●カナダのオンタリオ証券当局、Kraken・CoinbaseのCEOがノンカストディアルウォレットを勧めるツイートをしたことから法執行機関に連絡
https://thelogic.co/news/osc-flags-emergencies-act-tweets-by-kraken-coinbase-ceos-to-rcmp/
3.2. 欧州
●欧州議会、BitcoinをはじめとするPoW暗号通貨の禁止に向けて動き出したとの報道。
2025年初から施行予定のMarkets in Crypto-Assets (MiCA) の最終草案に、「環境的に持続不可能な」コンセンサスメカニズムを禁止する旨の記載。
https://u.today/eu-on-track-to-ban-bitcoin-report
●EU、新たなAML機関(今後2年以内に設立予定)が暗号通貨の監視を担当する方向性へhttps://www.theblockcrypto.com/linked/135168/eu-reportedly-plans-to-task-new-money-laundering-agency-with-oversight-of-crypto
●欧州議会、事実上のBitcoin禁止と誤解される可能性を懸念し、暗号資産市場指令(MiCA)採決を延期
金融制裁の回避可能性を念頭に、ECBラガルド総裁は、「禁止事項を回避しようとする犯罪的な方法は常に存在する」とした上で、「MiCA法案をできるだけ早く通すことが決定的に重要」との見方を示している
●ロシア財務省、暗号通貨規制草案を提出。暗号通貨への投資は可能とするものの、購入への利用は不可。大統領はマイニングにおいて競争優位があるとの見方を示している
https://decrypt.co/93464/russian-finance-ministry-submits-proposal-crypto-regulations
3.3. アジア太平洋ほか
●中国最高裁、刑法の解釈を修正し、仮想通貨による資金調達は違法に
https://www.theblockcrypto.com/post/135286/china-crypto-jail-people-if-funds-raised-public
●韓国Upbit Global、3月25日からトラベルルール施行へ。
100万ウォン以上のデジタルアセットの引き出しで受信者の身元情報を追加で入力必要に。
当面は国内仮想資産事業者への出金のみサポート。
今後トラベルルールソリューションを適用した海外取引所までサポート拡大予定
https://coindeskkorea.com/news/articleView.html?idxno=77856
●インド広告基準審議会(ASCI)、暗号資産の広告に関連するガイドラインを発行。
免責事項を示すことのほか、規制商品と関連付けられる表現の禁止、将来の利益を約束・保証することの禁止など。
https://decrypt.co/93605/indias-advertising-council-issues-crypto-guidelines
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