Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Baltic Honeybadger 2023が開催
フィリピン中銀、Bitcoin・Lightningサービスプロバイダーとして初めて「Pouch」を決済システムオペレーターに承認
BTCPay Server、Spiral・Lightning Dev Kit(LDK)と提携してBTCPayアプリの開発に着手
BIS、「オラクルが暗号の完全な分散化の理念を真に遵守できるかどうかは議論の余地がある」とするペーパーを発表
IMFと金融安定理事会(FSB)、暗号資産政策について共同でペーパー発表
米FRB、連邦政府の強力な監督なしにStablecoinを発行することに深い懸念を示す
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Baltic Honeybadger 2023 conference livestream day 1 の動画
●Baltic Honeybadger 2023 conference livestream day 2 の動画
●TABConf 2023 Schedule(9/6-9/9, Atlanta)
https://github.com/orgs/TABConf/projects/1/views/15
●Atlanta BitDevs - Bitcoin Socratic Seminar
https://atlantabitdevs.org/
●DrivechainとBitcoinのインセンティブについて
https://bitcoinmagazine.com/technical/drivechains-introduce-new-incentive-dynamics-to-bitcoin
●Drivechainに関して、BIP300とBIP301のまとめ記事
https://bitcoinmagazine.com/technical/drivechains-allow-sidechain-node-miners
●話題のドライブチェーンとは?/エルサル、公立校にビットコイン教育導入|Diamond Hands Magazine Vol.105
●Bitcoinをめぐるプライバシーリスクに関するリソースリンク集
https://www.lopp.net/bitcoin-information/privacy.html
●安全な秘密鍵の管理に関するリソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/security.html
●Security Budget Problemの図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1699793003035140187
●BIP158に関する図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1698835114896027815
●BIP32の図解スレ
https://twitter.com/BTCillustrated/status/1698019352467919099
●Bitcoin Optech Newsletter #267|Bitcoinのトランザクションを圧縮する新しい手法
https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2023/09/06/
●日本国内のビットコイン普及の加速を目指す新しい挑戦 DH Magazine Proの公開と案内
1.1.2. L2:Lightning Network
●Nayuta Wallet iOS 版リリース
●「現状はLNのルーティングで大きなリターンを得るのは難しい」ビットコイナー・赤かぶと氏 3/3
https://burry.co.jp/articles/oidne-3/
●Lightningを使って地域通貨を購入する「RoboSats」
https://github.com/RoboSats/robosats/blob/main/.github/ISSUE_TEMPLATE/coordinator_registration.yaml
●Lightningノードに接続性の問題があるかどうかを判断する「gossiper」
https://github.com/fiksn/gossiper
●ライトニング関連の日本語リソース|Diamond Hands Wiki
https://dhwiki.notion.site/
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Vitalik、ミキシングプロトコルPrivacy Poolsに間するペーパーを共同執筆
ユーザーが取引グラフ全体を公にすることなく、自分の資金が既知の非合法的なソースから発信されたものでないことを証明するゼロ知識証明を公開するもの
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4563364
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. ペイメント
●フィリピン中銀、Bitcoin・Lightningサービスプロバイダーとして初めて「Pouch」を決済システムオペレーターに承認(リストの187番参照)
フィリピン銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas:BSP)による登録決済システム運営者(Operator of Payment Systems:OPS)リストに、「POUCH PHILIPPINES, INC. d.b.a. POUCH; Pouch; Pouch.ph」が掲載された。
PouchのWebサイトによると、「Pouchはフィリピン銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas:BSP)に決済システム運営者(Operator of Payment Systems:OPS)として登録されている、としている。
自身は銀行ではなく、認可を受けた銀行である「Netbank」や、認可を受けた仮想資産サービス・プロバイダーである「Coex Star」、その他数社のパートナーと提携して金融サービスを提供している、とのこと。
https://www.bsp.gov.ph/PaymentAndSettlement/COR.pdf
https://pouch.ph/
●BTCPay Server、Spiral・Lightning Dev Kit(LDK)と提携してBTCPayアプリの開発に着手
Bitcoinを効果的にスケールさせるためには、Lightningはユーザーフレンドリーかつ、個人商店にとってノンカストディアルなものでなければならない、としている。
EC決済のためのBTCPay Serverの成功とインパクトを再現することを目指し、BTCPay Appはブリック&モルタルビジネスに特化して注力している。
BTCPay Serverは、SpiralおよびLightning Dev Kit(LDK)と協力して、ブリック&モルタルビジネスがモバイルでのノンカストディアルなLightning決済の受入れを支援するとのこと。
https://www.nobsbitcoin.com/btcpay-server-partners-with-spiral-and-ldk-to-develop-btcpay-app/
2.1.2. 社会生活
●エルサルバドルでBitcoinが法定通貨化されて2年に
https://twitter.com/AdoptingBTC/status/1699745489711677856?s=20
2.1.3. Stablecoin
●MakerのRune氏、NewChainの基盤としてSolanaスタックが最も有望なコードベースであると
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●BIS、「オラクルが暗号の完全な分散化の理念を真に遵守できるかどうかは議論の余地がある」とするペーパーを発表
DeFiのスマートコントラクトが正しく機能するためには、実世界のイベントの正確なレポートに依存する。
オラクル問題は、decentralisationの中核原則である「trustlessness」と「single point of failureが無いこと」を維持しながら、信頼できる現実世界の情報をDeFiアプリケーションに組み込むという課題を提起している。
これらの原則を実現する上では、(1)分散型のコンセンサスメカニズムに起因する固有の非効率性、(2)コンセンサス・プロトコルでは完全に捕捉できない意図(個人や機関が公正かつ倫理的であるかどうか)への信頼を犠牲にする必要性、といった意味がある。
プログラマブルなプラットフォームの技術的利点を活用するという目的を達成する上での代替的手段としては、trustを基礎とするcentralisedなシステムを構築することである。
https://www.bis.org/publ/bisbull76.htm
●IMFと金融安定理事会(FSB)、暗号資産政策について共同でペーパー発表。
インドG20議長国からの要請を受け、IMFとFSBが、IMFとFSBの政策提言と基準を統合すべく、本ペーパーを作成したもの。この統合勧告は、StablecoinやDeFiを含む、暗号資産活動や市場がもたらすマクロ経済・金融安定リスクに当局が対処するための包括的なガイダンスを提供するもの。
Stablecoin関連や、DeFiを通じて行われるものを含む、暗号資産活動や市場がもたらすマクロ経済・金融安定リスクに対処するための包括的なガイダンスを示す。
本稿は、暗号資産政策の枠組みの実施に関連するロードマップで締めくくられている。
DeFiおよび多機能暗号資産仲介機関に関するFSBのpolicy work
その基準が暗号資産およびStablecoinのarrangementsにどのように適用されるかを検討
暗号資産およびStablecoinのarrangementsがもたらすリスクのモニタリング
暗号資産活動及びglobal stablecoinのarrangementsに関する情報共有および規制・監督上の調整ハブとしてFSBが引き続き機能
金融市場インフラ原則(PFMI)に基づくStablecoinのarrangementsに対する当局の責任
https://www.fsb.org/2023/09/imf-fsb-synthesis-paper-policies-for-crypto-assets/
●国際証券監督者機構(IOSCO)、DeFiの規制に関する勧告をまとめた報告書を発表
https://www.ledgerinsights.com/iosco-defi-regulation-mev/
3.2. 米国
●米FRB、連邦政府の強力な監督なしにStablecoinを発行することに深い懸念を示す。
新たなプログラマブル決済プラットフォームや、暗号通貨・Stablecoin・CBDCなどの新たな形態のデジタルアセットの出現により、決済の状況は進化し続けている。
米国通貨を発行する立場として、また決済システムを運営する立場として、FRBはこれらの開発と、それらがもたらすトレードオフを理解しなければならない。
ある資産が政府発行通貨にpegされている場合、それは一種のprivate moneyである。その資産が決済手段や価値貯蔵手段としても使われる場合には、中銀のtrustを借りることになる。そのため、FRBは、Stablecoinが金融の安定性や決済システムの完全性を脅かさないよう、適切な連邦政府の健全性監視の枠組みの中で運営されることを保証することに強い関心を持っている。
こうした資産への投資に関心のある銀行に明確性を提供するために、ドル・トークンの発行・保有・取引を行う前に、FRB監督下にある銀行が監督上の不承認を得るためのプロセスについて、ガイダンスを公表したところ。
このガイダンスは、FRB が監督権限を有する銀行の活動のみを対象としており、連邦政府の強力な監督なしにStablecoinを発行することに深い懸念を抱いている。前述のとおり、Stablecoinは貨幣の一形態であり、貨幣の最終的なcredibilityの源泉は中銀である。そのため、もし連邦政府が規制していないStablecoinが決済手段や価値貯蔵手段として普及すれば、金融の安定・金融政策・米国の決済システムに重大なリスクをもたらす可能性がある。
https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/barr20230908a.htm
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