Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
Coindesk、事業売却を模索との報道
Digital Currency Group傘下のGenesis、連邦破産法第11条の保護を申請
Coinbase、日本事業の見直しと既存顧客との取引停止について発表
Cash App上でLightning Networkを用いたBitcoinの送受信が可能に
欧州モバイルバンクN26、暗号通貨取引商品「N26 Crypto」を販売開始
ConsenSys、「ConsenSys zkEVM Private Beta」プライベートベータテストネットをローンチ
Gavin Wood、Polkadot XCM v3マージを発表
CanonUSA、NFT関連の商標を申請
Ondo Finance、米国国債と債券のトークン化商品をローンチ
タイ規制当局、暗号通貨のカストディサービスを提供する企業むけ規制を発表
国税庁、法人が保有する暗号資産に係る期末時価評価の取扱いについて発表
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
●Bitcoinの歴史関連リソースリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/history.html
1.2. Ethereum
●ConsenSys、zkEVMスケーリングテクノロジー「ConsenSys zkEVM Private Beta」プライベートベータテストネットをローンチ
ConsenSys zkEVM Private Betaが一部ユーザーを対象にオープン
今後数週間でより多くのユーザがオンボーディング可能に
テストネット参加者は、GoerliテストネットとzkEVMの間で資産をブリッジし、使い慣れたツール・インフラ・ウォレットを用いてスマートコントラクトやDappsをテストできるとされる
オンボーディング確認メールが届くと、zkEVM テストネットの操作方法を受け取り可能に
電子メールを受け取り、zkEVM カードが infura_io のダッシュボードに表示されるまで、資金のブリッジを試さないように求めている
ブリッジされた資金は、オンボードされるまでアクセス不可とのこと
https://www.infura.io/resources/network/consensys-zkevm-beta-signup
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●EYとPolygon、「Nightfall」パブリックドメインソースコードのアップデートを発表
Nightfallは、パブリックEthereum上でプライベートなトランザクションを可能にする上で役立つOptimistic ZK Roll-Up。
開発者はNightfallのソースコードを用いて、パブリックEthereumが提供する透明性・データの不変性・セキュリティを損なうことなしに、パブリックEthereumのメインネット上でプライベートなトランザクションを作成できる。
●Gavin Wood、Polkadot XCM v3マージを発表
これによって、ブリッジ、クロスチェーン ロック、交換、NFT、コンディショナル、コンテキスト トラッキングなどが可能になるとのこと。
1.3.2. 要素技術
●CoinGeckoの2022年間レポート
●昨年夏に$100mをHorizonブリッジから盗んだハッカー、41,000 ETH ($63.5m) を350以上のアドレス通じて動かす
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. 投資
●Cash App上でLightning Networkを用いたBitcoinの送受信が可能に
Lightning対応のウォレットであれば、どんなウォレットでも使える。
Cash Appは無料で利用可能。
https://cash.app/bitcoin/lightning
2.1.2. 投資
●FTX、顧客と債権者に返金するためとして、取引所の再開可能性を示唆
https://www.wsj.com/articles/new-ftx-chief-says-crypto-exchange-could-restart-11674143168
●米上下院議員の3人に1人以上がFTXからの支援
●Three Arrows Capital(3AC)の創業者、GTX向けに$25Mを調達中との報道。GTXは、FTX・Celsius・BlockFi および Mt.Goxに滞留している資金を持つユーザーに対して、債権を取引するソリューションを提供するとのこと
https://unchainedpodcast.com/3ac-founders-are-raising-25m-for-gtx/
●Digital Currency Group(DCG)、配当を一時停止する旨、株主に通知
●Digital Currency Group傘下のGenesis、連邦破産法第11条の保護を申請
Genesis Global Holdco, LLCおよびそのアドバイザーは、債権者及び親会社であるDCGのアドバイザーと継続的かつ生産的な話し合いを行い、資産の保全と事業の前進のための最も効果的な方法を検討してきた。
これらの現在進行中のステークホルダーとの協議をさらに進めるとともに、Genesisの顧客とGemini Earnユーザー向けのアウトカムを最適化すべく、レンディング事業の連邦破産法第11条による再建を開始する旨。
なお、Genesisのデリバティブおよびスポット取引、ブローカー・ディーラー、カストディ事業は、連邦破産法第11条の適用対象ではなく、顧客の取引業務を継続するとしている。
https://www.businesswire.com/news/home/20230119005955/en
●暗号資産ニュースサイトのコインデスク、事業売却を模索 | Reuters
https://jp.reuters.com/article/coindesk-sale-idJPKBN2TY02H
●ConsenSys、全従業員の11%に相当する96名の削減を発表
https://consensys.net/blog/news/consensys-focuses-its-strategy-to-ensure-future-growth/
●日本事業の見直しと既存顧客との取引停止について|Coinbase
2月16日までにCoinbaseから法定通貨、および暗号資産の保有財産を引き出すことができる。
保有する暗号資産を他の暗号資産サービスプロバイダー、またはCoinbase Walletや他のセルフホステッドウォレットに出庫することができる。
あるいは、ポートフォリオを清算し、日本円を国内の銀行口座に出金することも可能。
また、法定通貨の入金は2023年1月20日からお取り扱いできなくなる。
2023年2月17日以降、顧客が同社に保有している残りの暗号資産については、自動的に日本円に変換されるとのこと。
https://www.coinbase.com/blog/halting-operations-in-japan
2.1.2. NFT
●CanonUSA、NFT関連の商標を申請
NFTの買い手と売り手のための市場を提供するためのダウンロード可能なモバイルアプリケーションや、リテールストアについて示されているとのこと。
2.1.3. DeFi
●Ondo Finance、米国国債と債券のトークン化商品をローンチ。「米国国債ファンド」「短期投資適格債ファンド」「高利回り社債ファンド」を含むもの
米国国債ファンド(OUSG)は、米国の短期国債のみに投資するもの。当初は「Blackrock米国国債ETF(SHV)」を通じて投資予定。
短期投資適格債ファンド(OSTB)は、短期投資適格債に投資するもの。当初は「PIMCO Enhanced Short Maturity Active ETF (MINT)」を介して行う。
高利回り社債(OHYG)は、ハイ・イールド社債に投資するもの。当初は「Blackrock iBoxx $ High Yield 社債 ETF (HYG)」に投資する予定。
https://www.theblock.co/post/200611/ondo-finance-tokenized-treasuries-bonds
https://blog.ondo.finance/announcing-tokenized-us-treasuries-and-bonds/
2.2. 金融機関のデジタルアセットサービス
2.2.1. 欧州
●欧州モバイルバンクN26、新しい暗号通貨取引商品「N26 Crypto」をドイツ・スイス・ベルギー・ポルトガル・アイルランドで販売開始。N26アプリで暗号通貨を直接売買可能に
対象となる市場のN26の顧客は、約200の暗号通貨を取引できるようになるとし、これは他のどの欧州の銀行アプリよりも多いものであるとのこと。
「N26 Crypto」は、60億ユーロを超える顧客口座を有しており、取引および投資分野への最初のステップとして、顧客の財務管理をより多くの側面から支援することを目指すとしている。
N26の本人確認と適格性チェックに成功した顧客は、N26アプリの「Finances」タブ内の「Trading」セクションから「N26 Crypto」にアクセスできる。
ポジションを開くには、取引したいコインと金額を選択するだけで、取引に相当する現金が銀行残高から差し引かれ、コインは即座に「N26 Crypto」のポートフォリオに表示されるとのこと。
「N26 Crypto」は、取引の実行とコインの保管を管理するBitpanda Asset Management GmbHと提携して提供される。
2.2.2. アジア太平洋ほか
●豪州National Australia Bank、カーボンクレジット決済用にStablecoinをローンチ。昨年春のANZ銀につづき、豪州銀行で2行目
https://www.ledgerinsights.com/national-australia-bank-nab-stablecoin-carbon-credit/
2.3. 中銀デジタル通貨
2.3.1. 米国
●Digital Dollar Project、U.S. CBDCの検討にむけたホワイトペーパーを発表
2.3.2. 欧州
●欧州評議会、デジタル・ユーロ・プロジェクトに関するユーログループの声明を発表
●英国中銀BoE総裁、デジタルポンドが今のところ必要かどうかはわからない旨、議会特別委員会で言及
Section3: Regulation
3.1. 米国
●米司法省と財務省、Bitzlato Ltd.をマネロンで起訴
https://www.coindesk.com/policy/2023/01/18/us-disrupts-bizlato-crypto-exchange-arrests-founder/
●米ミシシッピ州・ミズーリ州の議員らがBitcoinのマイニングとノード運営の権利を保護する法案が提出される
https://bitcoinmagazine.com/legal/mississippi-missouri-bills-to-protect-bitcoin
3.2. 欧州
●欧州議会、MiCA規制(Markets in Crypto Assets)の最終投票を4月に延期へ
MiCAは、EUで暗号サービスを提供する企業のライセンスに関する規則を定めるとともに、Stablecoinの発行を規制するとしている。
この遅延は、400ページ近いファイルを24の公用語に翻訳する上での「技術的」な要因が原因であるとのこと。
https://www.theblock.co/post/202723/eus-final-vote-mica-regulation-postponed-april
●スペイン中銀、サンドボックスでのユーロStablecoin発行をMONEI社に許可。準備資産をBBVAやCaixabankなど金融機関の口座に保有するもの
https://www.ledgerinsights.com/monei-digital-euro-stablecoin-bank-of-spain/
3.3. アジア太平洋ほか
●タイ規制当局、暗号通貨のカストディサービスを提供する企業むけ規制を発表
タイ証取(SEC)が発表した「デジタルアセットと鍵のカストディのためのデジタルウォレットの管理」に関する新しい規則によると、デジタルアセットのカストディサービスを提供する事業者に対して、以下を求めている。
デジタルアセットと鍵の効率的なカストディに対応し、顧客の資産の安全性を確保するためのデジタルウォレット管理システムを構築すること。
デジタルウォレットと鍵の管理に関するポリシーとガイドライン、ポリシーを明確にするためのコミュニケーション、アクションプランと手順、作業の監督、ポリシーの遵守を保証するための内部統制を整備すること。
デジタルウォレットの設計、開発、管理、ならびに鍵またはその他の関連情報の作成、維持、アクセスに関するポリシーおよび手順を適切に、安全かつ確実に策定すること。
デジタルウォレットと鍵の管理システムに影響を与える可能性のある事象の発生に備えたコンティンジェンシープラン(対応手順の策定とテスト、責任者の指定、事象の報告などが含まれる)を策定すること。
https://news.bitcoin.com/thailand-issues-new-regulations-on-custodied-cryptocurrencies/
3.3. 日本
●国税庁 | 法人が保有する暗号資産に係る期末時価評価の取扱い
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/230120/pdf/01.pdf
Disclaimers
This newsletter is not financial advice. So do your own research and due diligence.