Bitcoin・クリプト・web3をめぐる今週のニューストピックを、①テクノロジー・②ビジネス・③規制まわり、で振り返る。
今週の注目トピックは、
金融安定理事会(FSB)、「分散型金融の金融安定化リスク」レポート
米モンタナ州議会上院、Bitcoinマイニング権に関する法案が通過
Litecoinのチェーン上に、Litecoin Ordinalがinscribeされる
これまでのBitcoinチェーン上への総Inscription数は154,000を超える
Bitcoinのブロック777,777に到達
スイスLugano市、Bitcoinスプリングスクールプログラムを発表へ
Solana、通常の4000-5000TPSから数十TPSに停滞中
Section1: Technology
1.1. Bitcoin
1.1.1. L1
●Bitcoinのブロック777,777に到達
●Mastering Bitcoin第三版の第1章・第2章が先行公開
●ハードウェアウォレットCOLDCARDで大事なビットコインを守ろう④~バックアップ&リカバリ編~ | ロストイン・ビットコイン
https://lostinbitcoin.jp/how-to/coldcardguide04/
●ビットコインに興味がある人はDiamond Handsのテレグラムグループへ参加した方が絶対いいという話
●BITCOIN ISLAND RETREAT、3/27-3/29、フィリピンのボラカイ島にて
●Andrew Poelstra等によるBlockstream Researchの立ち上げ
●Bitcoin Twitterアカウントリスト。BitcoinやLightning Network開発者など
https://www.lopp.net/bitcoin-information/twitter.html
●Bitcoin関連のディスカッションフォーラムリスト
https://www.lopp.net/bitcoin-information/discussion-forums.html
●スマホでのOrdinal使ったBitcoin NFTのInscribeの提供
●フルスタックマイニングサービスのLuxor Technologies、Ordinalhubを買収
●Ordinals Protocol、暗号資産エコシステム全体を押し上げる【コラム】
https://www.coindeskjapan.com/175460/
●これまでのBitcoinチェーン上への総Inscription数は176,000を超える
https://dune.com/dataalways/ordinals
●Litecoinのチェーン上に、Litecoin Ordinalがinscribeされる
Bitcoin OrdinalsのGitHubリポジトリをフォークし、Litecoin Ordinalsプロジェクトが立ち上がっている
https://github.com/ynohtna92/ord-litecoin
●ビットコイン上のトークン発行プロトコルとその背景にある思想を考える|ビットコイン研究所寄稿
https://coinpost.jp/?p=435119
●国家戦略的意義としてBitcoinを語るペーパー
●「ビットコインはマイニングにより現実世界とリンクしこれが本質的価値の源泉となっている」Cygnos・三原 弘之氏 2/3 - Burry Market Research
「Stablecoinへの依存度高さがリスク」「Lightningのコミュニティの雰囲気が2014年のビットコインに近い」とのコメント
https://burry.co.jp/articles/h3hara-2/
●Advancing Bitcoin、3/2-3/3にロンドンで開催
https://www.advancingbitcoin.com/
●Discreet Log Contracts (DLC)についてまとめスレ
●Bitcoin Optech Newsletter #239 | Bitcoin Optech
提案中のOP_VAULT opcodeのBIPドラフトのリンクや、 LNノードがチャネルにサービス品質フラグを設定できるようにすることについての議論など
https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2023/02/22/
1.1.2. L2:Lightning Network
●Nostrクライアント(LN上のチップ)にZapが追加されたことに伴い、Lightning Addressesの使用が爆発的に増加しているとのこと
https://sovrnbitcoiner.com/receiving-self-sovereign-zaps/
●Nostrの有料リレー(Paid Relays)について
https://blog.kollider.xyz/using-nostr-with-paid-relay/
●BOLT 12とNostrについてのスレ
●BlueWallet、LightningノードLndhubの停止を発表し速やかにノード上の資金引き出しを勧告。今後BlueWalletはセルフ・カストディ・ソリューションのみをサポートするとのこと
https://bluewallet.io/sunsetting-lndhub/
●STARKs on Bitcoinの動画とスライド
●Lightning Poolsについて解説スレ
●Taprootの要点まとめスレ
1.2. Ethereum
1.2.1. L1
●Shanghai/Capella (通称Shapella) ネットワークアップグレードがSepoliaに導入される予定
Shapellaネットワークのアップグレードは、Sepoliaネットワーク上でエポック56832(2023年2月28日)に有効になる予定
Shapellaのアップグレードは、executionレイヤー(Shanghai)、consensusレイヤー(Capella)、エンジンAPIの変更を組み合わせたもの
Capellaでは、バリデータがBeacon Chainからexecutionレイヤーにstakeを引き出すことを可能に
The Mergeに続くアップグレード
https://blog.ethereum.org/2023/02/21/sepolia-shapella-announcement
●Ethereumのふりかえり記事
https://github.com/djrtwo/writing/blob/main/docs/2023-02-23_2023-Reflections.md
1.2.2. L2
●Coinbase の Ethereum Layer 2 (L2) 「Base」がテストネットローンチ
https://base.mirror.xyz/jjQnUq_UNTQOk7psnGBFOsShi7FlrRp8xevQUipG_Gk
1.3. 他チェーン・要素技術
1.3.1. 他チェーン
●Solana、通常の4000-5000TPSから数十TPSに停滞中
https://explorer.solana.com/
●Polygon Labs、20%の人員削減を発表
https://polygon.technology/blog/consolidating-teams-within-polygon-labs
1.3.2. 要素技術
●Zion、Web5 Frameworkを使う理由として、「特定サービスが停止していても、DWNのデータにはアクセスできる」「Lightning 決済とDID認証により、サービスを仲介することなしに、データの転送や独自コントラクト作成ができる」点をあげている
●Messariも 15%の人員削減を発表
●Coinbase、従業員の一人を標的としたサイバーセキュリティ攻撃(ソーシャルエンジニアリング)を経験したとして、ケーススタディを公開
https://www.coinbase.com/blog/social-engineering-a-coinbase-case-study
Section2: Business
2.1. アダプショントピック
2.1.1. マイニング
●東南アジアでのBitcoinマイニングが加速し、タイ・ラオス・マレーシア・カンボジア・シンガポールなどにハッシュレートが分散化
●Bitcoin マイニングの少なくとも52.6%がサステナブルエネルギーによるもの
ESG投資家がBitcoinに違和感を覚える理由の1つとして、CCAF(Cambridge Centre For Alternative Finance)の調査「A Deep Dive Into Bitcoin's Environmental Impact」が、Bitcoinは37.6%しか持続可能エネルギーを使用していないと報告したことがあるとされる。
CCAFのウェブサイト中の「Limitations Of The Model」によれば、CCAFのモデルにはいくつかの要素(オフグリッドの採掘, フレアガスマイニング, 地理的ハッシュレートの更新)が含まれていないため、Bitcoinの持続可能エネルギーの割合を13.6%も過小評価することが明らかになったとのこと。
2.1.2. 社会生活
●スイスLugano市、Bitcoinスプリングスクールプログラムを発表へ
●グアテマラのビットコイン・レイクに行ってみた|体験記寄稿5
https://coinkeninfo.com/guatemaranobitutokoinreikunixing-tutemita-ti-yan-ji-ji-gao-4/
2.1.3. RegTech
●Chainalysis「2023 Crypto Crime Report」によると、暗号通貨詐欺からの収益は市況悪化に伴い減少しており、2022年には46%減少したとのこと
https://news.bitcoin.com/chainalysis-crypto-scam-revenue-dropped-46-in-2022/
2.2. 金融機関のデジタルアセットサービス
●独DZ Bank、デジタルアセットカストディサービスのパートナーにMetacoを選定。Citibankや Societe Generale等に続くもの
2.3. デジタル証券
●三菱UFJ信託など7社が「デジタルアセット」新会社、投資回収前に手放す理由 | 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07697/
Section3: Regulation
3.1. グローバル
●IMF、暗号資産向け政策策定ガイダンスを発表。
加盟国が包括的で一貫性のある協調的な政策対応を展開するためのフレームワークを提供するもの。
暗号資産はIMFの任務の中核をなす政策に影響を及ぼすとした上で、特にその普及は金融政策の有効性を損なうとし、暗号資産に法定通貨の地位を与えるべきではないとしている。
https://news.bitcoin.com/imf-board-offers-guidance-for-developing-effective-crypto-policies/
●BIS幹部、中銀デジタル通貨 および 商業銀行の貨幣の役割を再現する「tokenized deposits」が、金融のイノベーションに不可欠である旨の言及
●国際決済銀行BIS、「2015年8月から2022年12月にかけての主要な暗号資産取引プラットフォームのデータでは、暗号資産アプリ利用者の大半がBitcoinの保有額で損失を出した」とするレポートを発表
https://www.bis.org/publ/bisbull69.htm
●金融安定理事会(FSB)による「分散型金融の金融安定化リスク」レポート
DeFiの成長は、伝統的な金融市場に幅広い影響を与える可能性がある一方、伝統的な金融市場のシステム脆弱性を受け継いで増幅させる可能性があると指摘。
https://www.fsb.org/2023/02/the-financial-stability-risks-of-decentralised-finance/
●国際的なDeFi規制、7月に枠組みを発表へ:金融安定理事会
https://www.coindeskjapan.com/175119/
3.2. 米国
●米FRSとFDIC・OCC、暗号資産マーケットの脆弱性に起因する銀行オペレーションへの流動性リスクについて合同声明を発表。
「暗号資産関連事業者によるデポジット」および「Stablecoin準備金を構成するデポジット」について言及している。
暗号資産関連事業体が預ける預金で、暗号資産関連事業体の顧客(エンドカスタマー)の利益のために預ける預金の安定性は、銀行の直接の取引先である暗号資産関連事業体のみによるものではなく、最終顧客の行動や暗号資産セクターの力学によって左右される可能性がある。
Stablecoinに関連する準備金を構成する預金の安定性は、Stablecoinの需要、Stablecoin保有者の信頼、Stablecoin発行者の準備金管理慣行に関連している可能性があるため、例えば予期しないStablecoinの償還や暗号資産市場の混乱に起因する大規模かつ急速な流出の影響を受ける可能性がある。
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/files/bcreg20230223a1.pdf
●FDIC(連邦預金保険公社)、年次レポートでデジタルアセットのボラティリティ・リスクを強調
https://www.fdicoig.gov/sites/default/files/reports/2023-02/TMPC%20Final%202-16-23_0.pdf
●米モンタナ州議会上院でBitcoinマイニング権に関する法案が通過
この法律案は、自宅での採掘を保護し、マイナーに差別的な電気料金を請求することを禁止するほか、地方自治体がゾーニング法を使って暗号採掘事業を停止する権限を剥奪することを定めている。
また、支払い方法としての暗号通貨の使用に対する課税を禁止し、デジタルアセットを株式や債券などの他の金融商品同様の「個人資産」として規定。
上院で37対13で可決され、次は州の下院で承認される予定。
●米カリフォルニア州金融保護革新局(DFPI)、消費者からの苦情に基づく暗号通貨詐欺トラッカー「Crypto Scam Tracker」を公開。会社名、詐欺の種類、キーワードで検索可能
https://dfpi.ca.gov/crypto-scams/
3.3. アジア太平洋ほか
●香港証券先物取引委員会(SFC)、仮想資産取引プラットフォームの運営者に対する要件案に関する協議を開始
今年6月1日に施行される新しいライセンス制度において、香港で事業を行う、または香港の投資家に積極的にマーケティングを行う集中型の仮想資産取引プラットフォームは、すべてSFCのライセンスを取得する必要がある。
この仮想資産取引プラットフォームの規制要件は、証券先物条例に基づく現行制度の規制要件をベースとし、認可を受けた証券ブローカーや自動売買取引所と同等のものとなっている。
https://apps.sfc.hk/edistributionWeb/gateway/EN/news-and-announcements/news/doc?refNo=23PR5
3.4. 日本
●Web3.0研究会(第8回)議事要旨: 令和4年11月24日
分散型アイデンティティに関する委託調査中間報
https://www.digital.go.jp/councils/web3/f39e29a1-f172-483b-a584-8613569ed708/
●Web3.0研究会(第6回)議事要旨: 令和4年11月8日
デジタル資産に関する委託調査中間報告
https://www.digital.go.jp/councils/web3/435e17d3-a543-433b-9cf8-e3291629a555/
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